Eagles
Take It Easy (1972)
わたしは昔はパンクが好きでトゲトゲしてたので、イーグルスなんてちっとも良いと思えなかったのだけれども、今は好きだ。
それをべつに成長とは言わないだろうけれども、人は生き続けていると変化はするものだなあとは思う。
わたしは「いま食べたい、と思うものがそのときの肉体が求めているもの」という説をわりと信じていて、「いま聴きたい、と思う音楽がそのときの心身が求めているもの」とも思っている。パンクでピョンピョンしているときにイーグルスなんて聴いてもムダなのだ。
同じようなものばかり繰り返し聴いているとそのうち飽きてピョンピョンも収まるので、そうしたら「さあ次はなににしようかな」なんて、べつのジャンルの音楽を聴き始める。わたしはそうやって、飽きもせずに音楽を聴き続けてきた。
この曲は1972年5月にリリースされたイーグルスのデビュー・シングルで、いきなり全米12位のヒットとなった。
ギターのグレン・フライが、共同生活をしていたジャクソン・ブラウンと一緒に書いた曲だ。
反戦運動やヒッピー文化、ロックやニューシネマなど、カウンターカルチャーのかつてない隆盛、ロックスターたちの相次ぐ死など、波乱と緊張感に満ちた60年代が終わり、爽やかなサウンドで「気楽にいこうぜ」と歌うこの曲もまた、ひとつの時代の終わりと、そして始まりを歌った名曲だった。
↓ 1972年6月発売の1stアルバムにも収録されたオリジナル・バージョン。
↓ 1994年のMTVでのライヴ。
(Goro)