David Bowie
Suffragette City (1972)
デヴィッド・ボウイの、名曲だらけの最高傑作『ジギー・スターダスト』のクライマックスに位置する、疾走感溢れるロックンロールだ。ボウイの曲で最も好きな曲のひとつだ。
アルバムの終盤、「ジギー・スターダスト」〜「サフラゲット・シティ」への流れはロック・アルバム史上最高の瞬間のひとつだ。力強いギターの連打で始まるイントロの目も眩むようなカッコ良さにシビれ、疾走するミック・ロンソンのギターに並走するボウイのヴォーカルが最強のコンビネーションでスピード感を感じさせる。そしていったん終わったかと見せかけてまた始まるエンディングは、あまりのカッコ良さにクラクラするほどだ。
ちなみに、管楽器のような音色はシンセサイザーで、ボウイが最も早くシンセを使った楽曲でもある。
「サフラゲット・シティ」を直訳すると「婦人参政権運動の街」という意味らしい。
わたしは昔はそんな意味は知らなかったので、空飛ぶサーフボードに乗った人々がビル街の谷間を高速で飛び回る未来社会を想像しながら聴いていた。たぶん「サフラゲット」が「サーファー・ジェット」に聴こえて、そんなまったく原曲に無いイメージを勝手に作りあげたのだろう。
わたしの中では「歌詞の想像は自由」というルールがあるので、それでもいいのだ。
たぶん今後も空飛ぶサーファーたちをイメージしながら聴くだろう。
イントロがT.REXの「テレグラム・サム」にそっくりという指摘もあるようだけど、似てるかな? ちなみに、「テレグラム・サム」は1972年1月発売で、『ジギー・スターダスト』は翌2月発売である。
まあこの程度のリフはグラム・ロック組合の共有物ということでいいんじゃないかと思う。
↓ 1973年のライヴ映像。曲の後にボウイの着替えシーン付き。
(Goro)