Carpenters
Yesterday Once More (1973)
久しぶりにカーペンターズのアルバムを聴きながらこれを書いているけど、それにしてもいい声だな。聴き惚れる。国宝級だ。
何度も書いてるけどカレンの声、とくに彼女の唯一無二の低音は、ポップス史上最強の美しさだ。
この曲はその低音から始まる。
When I was young I’d listen to the radio …
久しぶりに聴くと思わず鳥肌が立つほどだ。
1973年当時、ラジオを中心に1950年代〜60年代のポップスやロックンロールのリバイバルブームがあったようで、この曲はそれがとても嬉しいと歌う。ちなみに、このときのリバイバル・ブームで「オールディーズ」という言葉が生まれたらしい。
この曲は全米2位、全英2位の大ヒットとなり、日本でもオリコン洋楽チャートで26週連続1位、100万枚以上を売り上げる爆発的なヒットとなった。
それからおよそ5年後、日本の片田舎の小学校高学年のわたしも、ラジオのチャート番組を聴くのが最高の楽しみにしていた。ラジオのDJが曲の紹介をする言葉に耳をそばだて、曲が流れる直前に録音ボタンをジャストのタイミングで押すことに全神経を集中したものだった。
家にレコードプレーヤーがなかったわたしにとっては、音楽を聴くのはもっぱらラジオから録音したカセットテープだったのだ。わたしはラジオによって音楽好きに育ててもらったようなものだ。
おかげでわたしは、いろいろうまくいかないことはあるにしても、音楽のおかげで人生に退屈だけはしないで済んでいる。
(Goro)