
ヒストリー・オブ・ロック 1971【シンガー・ソングライターの台頭】Greatest 10 Songs
1971 60年代という時代は、戦後世代の若者たちが中心となって、新しい価値観が認められる、より自由で平和な世界に変えていこうと、理想に燃えた革命の時代だった。 反戦運動や学生運動、公民権運動、ヒッピーという社会からドロップアウトした新しい生き方など、既存の体制や価値観に異議を唱...
メジャーからマイナーまで、ロックが地上最強だった時代の名曲や名盤をお薦めしたりしなかったりするブログです。(2024年9月『ロックの快楽』より改題)
1971 60年代という時代は、戦後世代の若者たちが中心となって、新しい価値観が認められる、より自由で平和な世界に変えていこうと、理想に燃えた革命の時代だった。 反戦運動や学生運動、公民権運動、ヒッピーという社会からドロップアウトした新しい生き方など、既存の体制や価値観に異議を唱...
1970 1970年はまさに、60年代ロックが終わりを告げた年だった。 若者たちの新しい文化として怒涛の勢いで世界に広がったロックにも暗雲が立ち込めた。 4月にポール・マッカートニーがビートルズから脱退を表明すると、その後アップル社と他のメンバーを巻き込んでの裁判沙汰にもな...
1969 アメリカのアポロ11号が月面着陸し、日本ではフォーク・ブームが巻き起こり、東名高速道路も開通したこの年、ロックはさらなる激しい進化の枝分かれを見せた。 ブルース・ロックから進化したハード・ロックが誕生し、サイケデリック・ロックやコンセプト・アルバムの実験による進化から、...
1968 ベトナム戦争反対運動や公民権運動、パリ五月革命やプラハの春、日本では東大紛争など、若者たちを中心に反体制運動が激化したこの時代は"政治の季節"と呼ばれた。この時代の緊張感や混乱、不安の暗い影の影響によって、ロック・ミュージックもよりシリアスな表現や"愛と自由と平和"を強調する...
1959年に米ミシガン州デトロイトに設立された〈モータウン・レコード〉は、黒人アーティストを専門に扱いながら「白人にもR&Bを理解してほしい」というコンセプトの独立系レコード・レーベルだった。 スモーキー・ロビンソンや、ホーランド=ドジャー=ホーランド(3人組のソングライター・...
1967 日本にミニスカート・ブームが到来していたこの年、米西海岸ではサンフランシスコを中心に、ベトナム戦争への疑問と徴兵への反発などをきっかけに、既存の社会体制や価値観に背を向け、社会をドロップアウトしたヒッピーと呼ばれる若者たちがコミューンを形成して暮らす、ヒッピー・ムーヴメントが...
1966 ビートルズが登場し、めでたくロックンロール復活!となってからまだたったの3年しか経っていないというのに、その間にロックは急速に進化し、多様化し、変態化していったことが今回選んだ10曲を聴いていただければわかると思う。 既成のバンドサウンドに飽き足らず、インドの楽...
1965 “ロックンロール”と”ロック”という二つの言葉の違いに明確な定義は無いだろうけど、なんとなく、”ロックンロール”は50年代に流行したの初期型のもので、60年代のある頃から”ロック”に変わったようなイメージはある。 もともと"ロックンロール"はダンス・ミュージックとして生...
1964 ビートルズが突破口を開いたことによって、時代が大きく動いた。 日本では東京オリンピックが開催されたこの年、イギリスのロックバンドたち、”ブリテイッシュ・ビート・バンド”が凄まじい勢いで世界中のヒットチャートを席巻し、若者たちを夢中にさせた、その現象は”ブリティッシュ・イ...
1960年代初頭のフォーク・ブームは、当時〈フォーク・ミュージック・リヴァイヴァル〉と呼ばれた。 「フォーク・ミュージック」は、古くから伝わる民謡や伝承曲、時事問題を歌にした「トピカル・ソング」、反体制的な「プロテスト・ソング」なども含めて、基本的にアコースティック・ギターやバンジョー...
1963 この年の3月、たった1日で録音したと言われるビートルズの奇跡の1stアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』がリリースされ、30週連続で全英1位の座に居座り続けた。 それにしても30週間連続1位とは恐れ入る。それほど圧倒的なレコードだったのだろう。ビートルズ一択の時代。当時の若...
1962 アメリカの東海岸ではニューヨークを中心にフォーク・ブームが巻き起こり、そして西海岸ではカリフォルニアを中心にサーフ・ミュージックが流行していた。ロックンロールの聖火が風前の灯となっていた時代に、その火種を受け継いだのがこのサーフ・ミュージックだった。 ガールズ・ポップも...
1961 ジョン・F・ケネディが史上最年少の43歳で第35代合衆国大統領に就任し、ソ連は世界初の有人宇宙飛行を成功させて世界を驚かせたこの年は、新しい風が吹きはじめた時代だった。 アメリカ東海岸にはニューヨークを中心に"フォーク・ミュージック・リヴァイヴァル"とも呼ばれる、フォー...
1960 いよいよ1960年代に突入、というわけだけれども、神の怒りか悪魔の悪戯か知らないけれども、前年までにほぼ殲滅されてしまったロックンロールは、さらなるトドメをさされる。 4月17日深夜、イギリス・ツアー中のエディ・コクランとジーン・ヴィンセントが乗った車がカーブを曲がり切...
1959 前年に、エルヴィス・プレスリー、リトル・リチャード、ジェリー・リー・ルイスがシーンから去ってしまうと、栄華を誇ったロックンロールの人気にも翳りが見え始めた。 そして、さらに決定的な出来事が起こる。 1959年2月3日未明、ツアー中のバディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス...
1958 東京タワーが完成し、フラフープが大流行したこの年、ロックンロールの象徴的名曲として知られるチャック・ベリーの「ジョニー・B・グッド」や、彼にとってチャート最高位を記録した名曲「スウィート・リトル・シックスティーン」が大ヒットした。 チャックは絶好調だし、コクランやホリー...
1957 1957年、この年コカ・コーラが発売された日本でも、ロカビリー・ブームが巻き起こり、それまでジャズ喫茶だった店が次々とロカビリー喫茶に衣替えしたという。ロックンロールは世界中の若者の心を捉え、社会現象となるほど過熱した。 そして、天才メガネ君が登場する。 彼はそれ...
というわけですでに始まっちゃってるのだが、この新シリーズ《ヒストリー・オブ・ロック》は、ロックンロールが誕生した1955年から、1年刻みで、各年を代表する名曲を10曲ずつ選んで、ロックの進化や変遷、ロックの歴史がわかりやすい形で目に見えるようなものになるといいな、という企画である。 選曲の基準...
1956 おっかなびっくり、新シリーズ始動! ロックンロール誕生の1955年から、1年10曲ずつで、ロックの変遷と歴史を辿る、「ヒストリー・オブ・ロック」シリーズです。 今回はその第2弾、エルヴィス旋風が巻き起こった1956年の10曲。 エルヴィス・プレスリーは前年、地元...
1955 "ロックンロールの誕生"をどの時点とするかには諸説あるけれども、一般的には1955年に映画『暴力教室』に使用されたビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が、初めて世界的ヒットを記録したロックンロールであることがよく知られ、わたしもそれをロ...
およそ4カ月に渡って、ボブ・ディラン関連の記事を中心に書いてきたけれども、これで一応最後です。 最後は、たぶんロック・アーティスト史上最も多くその作品がカバーされてきたと思われるボブ・ディランの、数えきれないほどあるカバー・ソングの中から、わたしが選んだ名カバー、ベスト20を紹介したいと思いま...
【カバーの快楽】 Bruce Springsteen - Chimes Of Freedom 先週、バーズのカバーでも紹介したボブ・ディランの名曲「自由の鐘」を、ブルース・スプリングスティーンが1988年の欧州ツアーでカバーしたライヴ録音だ。 このライヴが『Chimes Of Freedom』の...
【カバーの快楽】 Mick Ronson ft. David Bowie – Like a Rolling Stone ボブ・ディランの最高傑作「ライク・ア・ローリング・ストーン」ももちろん多くのアーティストがカバーしているが、これはさすがに原曲超えというのはなかなか見当たらない。 そ...
ボブ・ディランの全アルバムも聴き終わってホッと一段落のはずでしたが、なぜかいまだに日々ディランを聴き続けています。 彼の独特の声と深い音楽性は一度ハマり込むとなかなか抜け出せない底なし沼みたいな、しかもちょうど適温で体の芯から温めてくれるような、癒しにもなれば活力にもなるような、わ...
【カバーの快楽】 George Harrison - If Not For You 原曲はボブ・ディランが1970年10月に発表したアルバム『新しい夜明け』収録曲だ。 そしてこのジョージ・ハリスンのバージョンは、そのわずか1か月後に発表されたソロ第1作『オール・シングス・マスト・パス』...
お待たせしました。昨日の続きです。 昨日は30位から11位までを選んだので、残るはいよいよベスト10です。 30位⇒11位はこちら (文中のアルバムタイトル部分をクリックするとアルバムの過去記事が読めます) 第10位 サブタレニアン・ホームシック・ブルース(1965) Subt...
スタジオアルバムも、ライヴ盤も、ベスト盤も、ブートレッグ・シリーズも、ディランのアルバムをひと通り全部聴いたところで、わたしが愛するディランの名曲、ベスト30を選んでみようと思う。 でもそうやって全部聴いて、あらためて奇を衒うことなく素直に率直に選んだ結果は、そのままベスト盤にできるぐらいの、...
【ディランのアルバム全部聴いてみた 70枚目】 Bob Dylan "Springtime in New York:The Bootleg Series, Vol. 16 1980-1985" 現時点でのディランの最新アルバムはこのブートレッグ・シリーズ第16集だ。 1980年から85年にリリース...
【ボブ・ディランのアルバム全部聴いてみた 69枚目】 Bob Dylan "Rough and Rowdy Ways" 現時点では最新の、ディラン79歳のオリジナル・アルバム。しかも2012年のテンペスト以来、8年ぶりの全曲ディラン作だ。 朗読のような曲もあれば、スタンダード風の曲もあり、「グッ...
【ディランのアルバム全部聴いてみた 68枚目】 Bob Dylan "The Bootleg Series Vol. 15: Travelin' Thru, 1967–1969" ブートレッグ・シリーズ第15集は、1967~69年の『ジョン・ウェズリーハーディング』『ナッシュヴィル・スカイライン』...