レナード・コーエン/ハレルヤ (1985)

VARIOUS POSITIONS

【80年代ロックの名曲】
Leonard Cohen
Hallelujah (1985)

昨日、レナード・コーエンが82歳で死去したことをネットのニュースで知った。

このブログでも、1カ月ほど前に彼の「スザンヌ」を紹介したばかりだ。

この「ハレルヤ」もそのうち書こうと思っていたものだったけど、哀悼の気持ちを込めて今日書くことにした。ちょうど今、YouTubeでこの「ハレルヤ」のライヴ映像を見て、感動しているところだ。

しかしわたしは、彼の音楽のほんの一部しか知らない。
1975年発売の『グレイテスト・ヒッツ』を何十年も繰り返し聴き続けてきただけなのだ。

まるで侘び数奇の趣味を持つ者が茶碗の名品でも扱うかのように、人に見せるつもりもなく、ときどきひとりでそっと箱を開いて愛おしく眺めたり、感触を味わったりしながらなんとも言えぬ愉悦に浸るような、あぁやっぱりいいなあ、などと呟いてまた丁寧に箱に戻す、わたしはこの初期のベスト盤をそんなふうに聴いてきた。人に薦めたことも、貸したことも一度もない。

わたしはもう25年ぐらい前にそのアルバムを買ったが、どれだけ音楽の好みが変わってもこのアルバムだけはずっと変わらず好きで、ときどき聴いてはああやっぱりいいなあ、と愛おしく思うのだ。

その声は静かな感動を呼ぶ。

詩人なのできっと歌詞が重要なのだろうが、残念ながら英語の出来ないわたしには歌詞の意味はわからない。

でもその静かな音楽からは、憤りや嘆きや悲しみは感じられても、けっして絶望が感じられることはない。

「ハレルヤ」はその初期のベスト盤には入っていないが、ジェフ・バックリィによるカバーで知った。

下の動画は2009年頃のものらしいので、彼が75歳ぐらいだろうか。

この年まで歌い続けた人でなければ決して出せないような深みのある素晴らしい声で、名曲が力強く歌われている。

↓ ジェフ・バックリィによるカバー。これもまた名唱だ。

(Goro)