ウィルソン・ピケット『サウンド・オブ・ウィルソン・ピケット』(1967)【わたしが選ぶ!最強ロック名盤500】#113

サウンド・オブ・ウィルソン・ピケット

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【最強ロック名盤500】#113
Wilson Pickett
“The Sound Of Wilson Pickett” (1967)

「ご機嫌だぜぃ!」という言葉はきっとこういう音楽のためにあるのだろう。

「仕事終わったー、明日から連休ー!」ってときに聴きたいアルバムだ。

歌っていることにはそんなに中身は無いかもしれないが、その代わりに音楽的愉楽はたっぷりある。

50曲以上のヒット曲を米R&Bチャートに送り込んだメンフィス・ソウルを代表する激情型シャウター、ウィルソン・ピケットが1967年7月にリリースした5枚目のアルバムである。

カッコ内は米R&Bチャートの最高位。

【オリジナルLP収録曲】

SIDE A

1 ソウル・ダンスNo.3(10位)
2 ファンキー・ブロードウェイ(1位)
3 毎日愛が必要
4 アイ・ファウンド・ア・ラヴ (パートI)(6位)
5 アイ・ファウンド・ア・ラヴ (パートII)
6 ユー・キャント・スタンド・アローン(26位)

SIDE B

1 モジョ・ママ
2 アイ・ファウンド・ザ・ワン
3 サムシング・ウィズィン・ミー
4 アイム・ソーリー・アバウト・ザット
5 ラヴ・イズ・ア・ビューティフル・シン

お得意の、シャウトしまくるダンスナンバーから、美しいバラードまで、充実した内容で最初から最後まで飽きさせないのは、曲の良さだけでなく、バックバンドの素晴らしい演奏に支えられているからだろう。

ピケットの出身地でもあるアラバマ州の、かの有名なマッスル・ショールズ・スタジオの凄腕ミュージシャンたちの演奏は骨太で温かみのあるサウンドで、ケツがムズムズして思わず踊り出したくなるような、剛健でありながらも情熱的でもある。

ウィルソン・ピケットを初めて聴くなら、まずは彼の多くのシングルヒットを収めたベスト盤から聴くのが定石だが、ただ正直、ベスト盤でダンスナンバー中心のヒット曲だけを聴いていても、やや軽くて空虚な感じに聴こえてしまうかもしれない。

しかし彼の最高傑作である本作をはじめ、スタックスやマッスル・ショールズといった当時のサザン・ソウルの最高峰のスタジオで録音された初期アトランティック時代の作品には充実した内容のものが多く、その辺りがウィルソン・ピケットの真髄だと思うのである。

↓ 全米1位の大ヒットとなったA2「ファンキー・ブロードウェイ」は、ウィルソン・ピケットの数多いヒット曲の中でも特に有名なもののひとつ。ヘヴィー級のサウンドによる、ファンキー・ソウルだ。

Funky Broadway (2007 Remaster)

↓ ボビー・ウォーマック作、サザン・ソウルを代表するバラードのひとつ「アイム・ソーリー・アバウト・ザット」。

I'm Sorry About That (2007 Remaster)

(Goro)