『ライヴ・リックス』(2004)
The Rolling Stones
ストーンズ初の全キャリアから選曲されたベストアルバム『フォーティ・リックス』リリース後の2002~3年にかけて行われた〈リックス・ツアー〉の模様を収録したCD2枚組のライヴアルバムだ。
Disc 1
- ブラウン・シュガー – Brown Sugar
- ストリート・ファイティング・マン – Street Fighting Man
- 黒くぬれ! – Paint It, Black
- 無情の世界 – You Can’t Always Get What You Want
- スタート・ミー・アップ – Start Me Up
- イッツ・オンリー・ロックン・ロール – It’s Only Rock n’ Roll
- 悲しみのアンジー – Angie
- ホンキー・トンク・ウィメン – Honky Tonk Women(ft.シェリル・クロウ)
- ハッピー – Happy
- ギミー・シェルター – Gimme Shelter
- サティスファクション – (I Can’t Get No) Satisfaction
Disc 2
- ネイバース – Neighbours
- モンキー・マン – Monkey Man
- ロックス・オフ – Rocks Off
- キャント・ユー・ヒア・ミー・ノッキング – Can’t You Hear Me Knocking
- ザッツ・ハウ・ストロング・マイ・ラヴ・イズ – That’s How Strong My Love Is
- ザ・ニアーネス・オブ・ユー – The Nearness Of You
- ビースト・オブ・バーデン – Beast Of Burden
- ホエン・ザ・ウィップ・カムス・ダウン – When The Whip Comes Down
- ロック・ミー・ベイビー – Rock Me, Baby
- ユー・ドント・ハブ・トゥ・ミーン・イット – You Don’t Have To Mean It
- ウォリッド・アバウト・ユー – Worried About You
- エヴリバディ・ニーズ・サムバディ・トゥ・ラヴ – Everybody Needs Somebody To Love (ft.ソロモン・バーク)
Disc1はストーンズの代表曲ばかりを集めたベスト的選曲。でもなぜか「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」が収録されていない。あと「悪魔を憐れむ歌」も。
Disc2はコアなファン向けのマニアックな選曲で、フルサイズでライヴ盤に収録されるのはほぼ初めてと言っていい曲ばかりだ。この2枚構成の気の利いた作りは嬉しい。ストーンズ入門者はまずDisc1を繰り返し楽しんで、気に入ったらDisc2に進めばいいし、代表曲はもう嫌になる程聴いているコアなファンはDisc2だけを聴けばいいという便利な作りになっている。
キースが歌う「ザ・ニアーネス・オブ・ユー」は、本作で初めて収録されたカバー曲だ。1940年にレイ・エバールとグレン・ミラー楽団によって録音された曲で、以降ジャズのスタンダード・ソングとして多くのアーティストによって歌い継がれた名曲だ。
同様に「ロック・ミー・ベイビー」も本作で初めて披露されたカバーだ。リル・ソン・ジャクソンの「ロッキン・アンド・ローリン」をB.B.キングがアレンジして有名になったブルース・ナンバーだ。これも多くのブルース・マン、ロック・アーティストに歌い継がれてきた超有名曲だ。
Disc2の選曲でわたしが特に嬉しいのはボビー・キーズとロニーが長い長い渾身のソロを奏でる「キャン・ユー・ヒア・ミー・ノッキング」、そしてキースが歌うレゲエナンバー「ユー・ドント・ハブ・トゥ・ミーン・イット」だ。
そしてラストの「エヴリバディ・ニーズ・サムバディ・トゥ・ラヴ」では、この曲のオリジネイター、ソロモン・バーク大先生が登場する。初期ストーンズが熱心にカバーしていた師匠格との共演は胸熱である。
(Goro)