お待たせしました。昨日の続きです。
昨日は30位から11位までを選んだので、残るはいよいよベスト10です。
(文中のアルバムタイトル部分をクリックするとアルバムの過去記事が読めます)
Subterranean Homesick Blues
65年発表の名盤『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム(Bringing It All Back Home)』のオープニングを飾る曲。ディランがそれまでの弾き語りスタイルのフォークから一転して、バンドを従えたロックに転向した初めてのアルバムだった。下の動画はロック史上初めてのプロモーション・ビデオと言われている。手作り感満載の、今のPVみたいにお金のかかったものではないけれども、実にカッコいいPVだ。
I Shall Be Released
ディランが書いた曲だが先にザ・バンドが1stアルバムに収録して有名になった名曲。ディラン自身のバージョンは71年の『グレーテスト・ヒット第二集』で2番と3番だけの弾き語りバージョンで初めて収録された。下の音源は75年のツアー『ローリング・サンダー・レヴュー』のライヴ盤収録のもの。一緒に歌っているのは元カノでもあるジョーン・バエズだ。
Tangled Up in Blue
75年発表の名盤『血の轍(Blood on the Tracks)』のオープニング・トラック。クリアで美しいアコギのイントロが、ディランが新たな黄金時代に入ったことを告げているような感動を覚える。全米31位のヒットとなった。70年代のディランを代表する名曲。
Hurricane
76年発表の名盤『欲望(Desire)』収録曲。アメリカのボクサー、ルービン・”ハリケーン”・カーターが人種差別的な冤罪によって殺人犯に仕立て上げられ、終身刑を言い渡された事件を自ら取材し、歌った曲。スカーレット・リヴェラによる情熱的なフィドルと共にディランのその熱い想いと怒りが伝わってくる激アツナンバーだ。
Mr. Tambourine Man
65年発表の名盤『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム(Bringing It All Back Home)』収録曲。謎めいた歌詞とシンプルなメロディながら、なにが良いのかわからないけれども不思議な魅力を持った曲だ。直後にザ・バーズがデビュー・シングルとしてカバーして、ディランとビートルズを掛け合わせたような画期的なフォーク・ロック・サウンドを創造し、全米1位の大ヒットとなった。そのアメリカン・ロックの原点とも言えるサウンドにはディランも大いに刺激を受けたらしい。
Forever Young
全曲ザ・バンドと録音した唯一のスタジオアルバム『プラネット・ウェイヴズ(Planet Waves)』収録曲。ディランが息子のジェイコブに向けて書いたという、その真摯な想いと深い愛が伝わってくる、ディランの曲の中でもとび抜けて感動的な曲だ。
All Along the Watchtower
67年のアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング(John Wesley Harding)』収録。ジミ・ヘンドリクスのカバーでも有名になったが、ここではエレキギター無しのアコギとベース、ドラムだけという超シンプルなサウンドの原曲も素晴らしい。ディランのクールな歌唱と空気を切り裂くようなハーモニカも相まって、アコースティック・ロックンロールとでも言いたくなるカッコ良さだ。
Just Like a Woman
66年発表の名盤『ブロンド・オン・ブロンド(Blonde on Blonde)』から4枚目のシングルとしてリリースされ、全米33位を記録した。メロディもアレンジも抒情的で美しい、万人に薦められるディランの代表曲のひとつだ。ライヴ盤ではいつも意外なアレンジで楽しませてくれる曲でもある。
Blowin’ in the Wind
63年発表の2ndアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン(The Freewheelin’ Bob Dylan)』収録曲。ディランを一躍世界に知らしめた、大ブレイク作だ。プロテスト・ソングではあるが、その哲学的でありながら美しいイメージとリアリティを持った歌詞も素晴らしい。でも何よりこの曲は、そのメロディもディランの歌と演奏も、なにもかもが素朴を極めた名曲なのだ。だから、これもカバーするアーティストは多いが、この曲だけはどうアレンジされていても、原曲より良いと思ったことは一度もない。
Like a Rolling Stone
65年発表の名盤『追憶のハイウェイ61(Highway 61 Revisited)』のオープニングを飾る、ディランの代名詞のような名曲だ。シングルでも全米2位の大ヒットとなった。ディランの最高傑作であるのみならず、アメリカン・ロックの長い歴史においても、未だに最高峰であると思う。
以上、ボブ・ディラン【名曲ベスト30】第10位⇒第1位 でした。
(Goro)