
米アリゾナ州出身のミート・パペッツは、カート(vo,g)とクリス(b)のカークウッド兄弟と、デリク・ボストローム(dr)による3ピースバンドとして、1982年に独立系のSSTレーベルからデビューした。
パンクとサイケとカントリーを融合させたような独創的な音楽は、オルタナティヴとは彼らのために生まれた言葉のように思えるほど、唯一無二の異形のロックだった。
商業的成功とは無縁の、まったく無名だった彼らを一躍有名にしたのが、1991年に海底火山が噴火したかのような大ブレイクを果たしてロック界に激震と大津波を引き起こしたバンド、ニルヴァーナだった。
特にカート・コバーンは最も影響を受けたバンドにミート・パペッツの名を挙げ、MTVアンプラグドでは彼らの曲を3曲もカバーし、彼らと共演も果たした。
ニルヴァーナの好きな方なら、一聴してミート・パペッツがニルヴァーナに強い影響を与えていることがわかるだろう。大衆人気はたしかに得られそうにないが、真に独創的なロックを生み出している数少ないバンドのひとつだ。ニルヴァーナほど広く聴かれなくてもいいが、彼らの名前は太文字でロック史に刻まれるべきだろう。
2018年はギターとキーボードを加えて5人組となり、これまで15枚のアルバムを発表し、今も現役である。
以下はわたしがお薦めする、最初に聴くべきミート・パペッツの至極の名曲5選です。
Plateau
ミート・パペッツの代表作として挙げられることが多い名盤2nd『ミート・パペッツⅡ(Meat PuppetsⅡ)』収録曲。
1993年のMTVアンプラグドでニルヴァーナによってカヴァーされ、ミート・パペッツのメンバーも共演を果たした。この共演と楽曲の独創性によって彼らの名前が世界中に知れ渡った。
Lake Of Fire
同じく名盤2nd収録曲で、これもMTVアンプラグドでカバーされた曲。まるで、底なし沼にゆっくりと沈み込みながら悶え苦しむ、断末魔の叫びのような凄絶な歌メロが凄い。
Up On The Sun
作風が一変し、ギターの音もクリアになり、絶叫ヴォーカルもなくなったが、2ndにひけをとらない名盤3rdアルバム『アップ・オン・ザ・サン』のタイトル曲。変態的で印象的なギターのリフがいかにもミート・パペッツらしい。
We Don’t Exist
ニルヴァーナとMTVアンプラグドで競演し、知名度爆上がりになった直後にリリースした8thアルバム『トゥー・ハイ・トゥ・ダイ(Too High to Die)』はその勢いに乗って50万枚をセールスするヒットとなった。この曲はアルバムからの1stシングル。
Backwater
『トゥー・ハイ・トゥ・ダイ』からのシングルで、全米47位と、彼らにとってただ一度の全米チャート入りを果たした代表曲。当時流行のグランジ・サウンドに思いっきり寄せて、ファンの期待に応えたのがセールスの成功につながったのだろう。
入門用にミート・パペッツのアルバムを最初に聴くなら、初期のベスト盤『クラシック・パペッツ』か、ニルヴァーナやグランジが好きなら『トゥー・ハイ・トゥ・ダイ(Too High To Die)』からがお薦めだ。
(Goro)