“Bob Dylan’s Greatest Hits”
1967年にリリースされた、ボブ・ディラン初のベスト・アルバムだ。全米10位、全英6位と当然ながらよく売れた。
LPの曲順は以下の通り。
Side A
1.雨の日の女
2.風に吹かれて
3.時代は変る
4.悲しきベイブ
5.ライク・ア・ローリング・ストーン
Side B
1.ミスター・タンブリン・マン
2.サブタレニアン・ホームシック・ブルース
3.アイ・ウォント・ユー
4.寂しき4番街
5.女の如く
1stからは選曲されていないが、2nd『フリー・ホイーリン』から7th『ブロンド・オン・ブロンド』までの6枚のアルバムから10曲が選ばれている。
10曲っていうのがいいな。
最近はCD2枚組、3枚組のベスト盤なんていうのも多いけど、あんなものはベスト盤とは言わない。ベター盤だ。
ベスト盤なんて厳選された10曲ぐらいを聴くのがちょうど良い。ちょっと足りないぐらいで、もっと聴きたいと思わせるぐらいが良いのだ。
それにしても「雨の日の女」がまた1曲目というのは、ちょっとどうかな。
1965年に「ライク・ア・ローリング・ストーン」の次のシングルとしてリリースされ、全米7位、全英8位のヒットを記録したアルバム未収録曲「寂しき4番街」が収録されているのも嬉しい。
8小節の歌メロを繰り返しているだけの極めて単純な曲だけど、ここでもアル・クーパーのオルガンが印象的で、楽しい曲だ。
歌詞は、ディランのロック転向などの変化に対してブーイングを浴びせる「元ファン」たちを延々と罵倒する内容だ。さすがディラン。
最初期のディランの代表曲・ヒット曲がもれなく網羅された、完璧なベストで、これから初めてディランを聴いてみるという人にもお薦めできるアルバムだ。
わたしが選曲を頼まれたとしても、同じ選曲をしただろうな。
ただし1曲目を「風に吹かれて」にするだろうけど。
↓ 「寂しき4番街(Positively 4th Street)」
↓ 「雨の日の女(Rainy Day Women #12 & 35)」