デヴィッド・ボウイ&ミック・ジャガー/ダンシング・イン・ザ・ストリート (1985)

Dancing In The Street (2002 Digital Remaster)

【コラボの快楽】
David Bowie & Mick Jagger
Dancing In The Streets (1985)

デヴィッド・ボウイとミック・ジャガーという、英ロック界の大御所二人が夢の共演を果たしたのが、マーサ&ザ・ヴァンデラスの代表曲「ダンシング・イン・ザ・ストリート」のカバーだった。

原曲はマーヴィン・ゲイを中心とするソングライター・チームによって書かれ、1964年にリリースされて、全米2位の大ヒットとなった。

このコラボ・シングルは、『ライヴ・エイド』というチャリティ企画の一環としてリリースされ、全米7位、全英1位の大ヒットとなった。

ライヴ・エイドのコンサートでは当初、ロンドンのウェンブリー・スタジアムにいるボウイと、米フィラデルフィアのJFKスタジアムにいるミックを衛星中継でつないで同時に歌うという企画が用意されていたのだけれど、どうしても0.5秒のズレが起こるということで実現せず、PVを流してお茶を濁したそうだ。

英ロック界を代表するスーパースター2人のコラボということで世界的な話題になり、当時の日本で洋楽のPVを流す数少ない深夜番組でも何度か見たものだった。ただ、この時期はミックのソロ活動をきっかけにキースとの関係が険悪になっていた頃で、ストーンズはもう解散なのかとファンの間では悲観的な噂が流れていた頃だったのだ。なので、このコラボも「またミックの課外活動か」と、手放しで楽しめるものではなかったことを憶えている。

強いビートとマーサのパワフルなヴォーカルはR&Bの枠を超えてロック界でも好まれ、これまで多くのアーティストがカバーしている。

しかし今あらためて聴いてみてもこのボウイ&ジャガーのバージョンは、急ごしらえの割にはアレンジも良いし、完成度が高い、さすがの出来だ。

↓ マーサ&ザ・ヴァンデラスのオリジナル。

(Goro)