スウェード/トラッシュ (1996)

Suede – Trash – CD (Maxi-Single), 1996 [r3069763] | Discogs

【90年代ロックの快楽】
Suede
Trash (1996)

1992年5月、スウェードはシングル「ドラウナーズ」でデビューした。

あれは衝撃的だったなあ。

その当時のイギリスのバンドは、マッドチェスターみたいなバンドかシューゲイザーみたいな轟音ギター・バンドが多かったのだけど、スウェードは70年代のグラム・ロックを彷彿とさせる、楽曲の完成度も高い王道英国ロックで颯爽と登場した。そのうえルックスまで完璧だった。

案の定、彼らは一気に売れた。

そりゃそうだろう、あらゆる意味で彼らよりカッコいいバンドなんてその当時のイギリスに存在しなかったのだ。

王道ブリティッシュ・ロックへの回帰という意味で、実は彼らこそが90年代に最初に出現したブリット・ポップだった。しかし当時は、まだその後に続く者が出てこなかった。彼らはちょっと、早すぎたのだ。

この「トラッシュ」は、ブリット・ポップ・ブームの真っただ中となった1996年7月にリリースされ、全英3位の大ヒットとなった。バーナード・バトラーが脱退して「スウェードはもう終わったんじゃないか」という心配をよそに、17歳の新ギタリストとキーボードを加えて5人編成となった新生スウェードの、復活の狼煙となった。

一度聴いたら忘れられず、そのまま一日中口づさんでしまうようなキャッチーなメロディはさすがスウェードだ。彼らはデビューしたときからそんな曲を書いていたけれども、この曲はさらにアレンジもこれまでにないほど派手で煌びやかで、眩しいほどにポップだ。ブリット・ポップのおチビちゃんたちとは格の違いを見せつけた。

歌詞を書いたブレット・アンダーソンは次のように語っている。「この曲は、僕たちが何者であるかについての声明なんだ。自分たちのことを『ゴミ(Trash)』だと言い切ることで、逆にそれを誇りに変えたんだよ」(セレクト誌インタビュー 1996年)

MVのブレット・アンダーソンはまるで70年代のデヴィッド・ボウイのように、眼光鋭く、ひとり我が道を往く孤高の男の顔つきだ。

Suede – Trash (Official Video)

(Goro)