【パブ・ロックの快楽】
Brinsley Schwarz
Country Girl (1970)
Brinsley Schwarz
Country Girl (1970)
アメリカのバンド、エッグズ・オーヴァー・イージーに影響を受けて、ロンドンの様々なパブで演奏を始めたニック・ロウ率いるブリンズリー・シュウォーツが1970年12月にリリースした、ジャケがかわいい2ndアルバム『ディスパイト・イット・オール』のオープニングを飾る曲。
「イギリスのザ・バンド」とも言われた、アメリカ南部のルーツ・ミュージック志向のバンドだが、この曲なんかはザ・バーズのカントリー・ロックを手本にしているというか、『ロデオの恋人』のオープニング・トラック、「ゴーイング・ノーホエア」とほとんど同じである。
なにしろイギリス人がやるカントリーなので、だいぶ味付けの感じは違う気もするけど、その「アメリカ音楽への憧れ」はもう、鬼気迫る執念すら感じる。
ニック・ロウは当時21歳。その若さで、こういう曲を、70年代初頭のロンドンのパブで演奏していたとしたら、まあかなりのド変態なんだろうなあと思う。
もちろん、いい意味でだけれど。