ハイウェイメン/ハイウェイマン (1985)

Highwaymen

【カントリーの快楽】
Highwaymen
Highwayman (1985)

カントリー・ミュージックの中心地、ナッシュヴィルの保守的な音楽産業と折り合いがつかずに距離を置いていたウィリー・ネルソンとウェイロン・ジェニングスは、80年代に不遇の時代を送っていたカントリー界のゴッドファーザー、ジョニー・キャッシュに手を差し伸べ、そしてカントリーとロックと俳優の間でうつつを抜かしていたクリス・クリストファーソンも加えた4人の、悪のアウトローたちによって結成されたのがこのハイウェイメンというスーパー・グループだ。

この曲はそのハイウェイメンのテーマ曲とも言える「ハイウェイマン」という曲だ。

ハイウェイマンとはその昔のまだ鉄道が無かった時代、馬に乗って街道に出没し、金持ちから金品を巻き上げた盗賊のことだそうだ。

この曲と、それを収録した1stアルバムはどちらもカントリーチャート1位の大ヒットとなった。ついに悪が正義に勝った瞬間であった。

この曲は4人が1コーラスずつ順番に歌っていく。
最後にジョニー・キャッシュが歌う部分の歌詞は、ファンにはグっとくるところだ。

この世にお別れしたら、安らかに眠る場所を探そう
もしかしたらまたハイウェイマンに生まれ変わるかも
でなければただ雨粒となって降り注ぐか
いずれにしろおれは生き続ける
この世にきっと帰ってくるよ
(written by Jimmy Webb)

彼が生まれ変わってくれるなら、再び人生の大きな辛苦と小さな幸福についての歌を歌う歌手としてわれわれの前に現れてほしい。

彼がどんな名前に生まれ変わるのかわからないけど、その彼を見つけるためにも新しい音楽を聴き続けなければならない。

The Highwaymen – Highwayman

(Goro)