ヴァセリンズ/Jesus doesn’t wants me for a sunbeam (1988)

未定義

【80年代インディ・ロックの快楽】
The Vaselines
Jesus Wants Me For A Sunbeam (1988)

英スコットランドの男女2人によるデュオ、ザ・ヴァセリンズは、商業的な成功を得られず、たった1枚のアルバムだけを残して解散したため、普通ならそのまま忘れ去られてもおかしくなかった。

しかし彼らのファンだったニルヴァーナのカート・コバーンが、3曲も素晴らしいカバー曲を残したことで一躍に有名になった。わたしももちろん、ニルヴァーナのおかげでこのヴァセリンズを知ることができたひとりだ。

彼らの音楽は、メロディメーカーの才能とひねったユーモアのセンスによって独特な甘辛いポップソングとなっている。これにあとハードなバンドサウンドを加えたらそのままニルヴァーナになる。一聴して、カート・コバーンがこのヴァセリンズからいかに大きな影響を受けたかがよくわかる。

この曲はたしかカバーソングだったと思う。元はゴスペルだか伝承曲だか、なにか教会で歌うような歌だ。なので彼らの得意なユーモアは封印してまじめに、神への祈りのような厳粛さが漂う名曲だ。

その昔わたしはこれを、人前で歌ったことがある。地元の小さな、ライヴもやっている飲食店で。

ヴァセリンズもそんなにうまくないのでわたしが歌ってもそう変わらないだろうと思ったのだけど、観ていた人に訊いてみたところ、ドえらく下手糞だったらしい。

↓ ニルヴァーナによるカバー。

(Goro)