サンディ・ショウ/ハンド・イン・グローヴ (1984)

Hand In Glove

【カバーの快楽】
Sandie Shaw
Hand In Glove (1984)

サンディ・ショウは、1964年に17歳でデビューした、イギリスの女性ポップ・シンガーだ。

バート・バカラック作曲の2ndシングル「恋のウェイト・リフティング(Always Something There To Remind Me)」が全英1位となってブレイクした(なんちゅう邦題だ)。

60年代後半までヒットを連発したものの、70年代以降は子育てに専念し、1984年にザ・スミスのデビュー・シングル「ハンド・イン・グローヴ」のカバーで復活した。

スミスの「ハンド・イン・グローヴ」は、前年に発表されたものの全英124位と、メンバーの家族親戚しか買ってないんじゃないかというぐらいのコケっぷりだった。

もともとモリッシーはサンディ・ショウのファンだったそうで、それはそれは嬉しかったことだろう。

非商業主義的な尖ったインディ系ロック・バンドと、その昔一世を風靡した女性ポップス歌手の意外な組み合わせは、日本に置き換えて言えば、天地真理がエレファントカシマシをカバーするようなものだったのだろうか。

バック・バンドをザ・スミスが務めたり、PVを作らないことで知られたバンドが彼女のPVには出演するなど、その全面協力ぶりに、嬉しさがあふれ出しているのがわかる。

その甲斐あってか、サンディ・ショウのバージョンは全英27位と、オリジナルよりはだいぶ売れた。

動画はTV出演時のもので、バックはもちろんザ・スミスだ。

年を重ねても可愛らしさが残る当時37歳のサンディ・ショウが、若干オバちゃん風のノリで、はしゃぐ姿がなかなか良い。

床に寝転んで歌うパフォーマンスもいいし、最後に思わずツイストなんか出ちゃったのもまた微笑ましい。

Sandie Shaw & The Smiths – Hand In Glove

↓ ザ・スミスのオリジナル。

Hand in Glove (2011 Remaster)

(Goro)