昨日公開した記事〈はじめてのパワー・ポップ【必聴10組10曲】〉の続編になります。
パワー・ポップに興味を持った方、もっと聴いてみたい方にお薦めする、さらに深い沼へとご招待する10組10曲です。
ほとんどがマイナーなバンドではあるけれども、なぜこれがもっと世間に知られていないのか、なぜ街行く人々がこれを口づさんでいないのか、不思議になるぐらいキャッチーでポップでパワフルな名曲ばかり、10組10曲を選んでみました。
Raspberries – Go All The Way
米オハイオ州出身のラズベリーズの代表曲。パワー・ポップの代表例として挙げられることも多いけれども、極端にパワフルなギターと極端にポップなメロディーの、そのあまりの振幅の激しさは、面白いとも言えるし、気持ち悪いとも言える、なんともクセの強い曲だ。
ヴォーカリストは、後にシンガー・ソングライターとして成功するエリック・カルメン。
Brinsley Schwarz – (What’s So Funny ‘Bout) Peace, Love, and Understanding
1970年にデビューしたイギリスのバンド、ブリンズリー・シュウォーツは、ニック・ロウを中心としたバンドで、パブ・ロックの元祖として知られる。
元々はカントリーやレイドバックした音楽を得意とし、「イギリスのザ・バンド」の異名を持つバンドだったが、売れないこともあってか、最後のアルバムで方向転換したのがこの曲。後のニック・ロウらしいポップ・センスを発揮して、ブリンズリーでは最も知られる曲となった。
The Only Ones – Another Girl Another Planet
パンク・ムーヴメント真っただ中にデビューしたロンドンのバンド。パンクの文脈で語られることも多いが、カッコいいギター・ソロやポップなメロディはパンクというより王道ロックであり、パワー・ポップと言ったほうがしっくりくる。
The Cars – My Best Friend’s Girl
米ボストン出身のカーズの代表曲。全米35位、全英3位と、イギリスのほうで先に火が点いたのもわかる気がする、アメリカの土の匂いがまったくしない、ポップでスタイリッシュな曲だ。
The Primitives – Crash
80年代後半のイギリスのバンドで、ザ・バーズとラモーンズの要素を併せ持ったようなバンドだ。
革ジャン野郎たちが奏でるパワフルなサウンドと、マリリン・モンロー風の女性ヴォーカル、トレイシー・トレイシーがウィスパー・ヴォイスで歌うポップなメロディが特長だ。
Superdrug – Sucked Out
米テネシー州出身のバンド、スーパードラッグの代表曲。この1曲で、パワー・ポップ・ファンの心に永遠にその名を刻んだバンドだ。このシャウトというか、魂の絶叫は、まさにロックンロール・マジックが降臨した瞬間。
Fountains Of Wayne – Sink To The Bottom
1996年にデビューした米ニューヨーク出身のバンドの2ndシングル。ウィーザーとよく比較されたバンドだった。哀愁漂うメロディが印象的だ。
The Upper Room – All Over This Town
英ブライトン出身で2004年にデビューし、たった1枚のアルバムを残して解散してしまったアッパー・ルーム。まさに儚い青春の1ページみたいな、エヴァーグリーンの名曲。
The Click Five – Just The Girl
見た目からしてもうブリティッシュ・ビート好きの匂いがプンプンするけど、2005年にデビューした米ボストン出身のバンドの2ndシングルで、全米11位となった大ヒット曲。影響を受けたアーティストにチープ・トリックやシルヴァーチェアなどを挙げていた、もうそれだけで魅力的なバンドだった。2013年解散。
Ex Hex – Beast
2014年にデビューした米ワシントン州の3人組ガールズ・バンドの1stアルバム『リップス(Rips)』収録曲。気合の入ったギターとポップなメロディによる豪快でアグレッシヴなナンバーだ。
(Goro)