デレク&ザ・ドミノス/いとしのレイラ (1970)【’70s Rock Masterpiece】

デレク・アンド・ドミノス 『いとしのレイラ/アイ・ルックド・アウェイ』 - 中古CD&レコード【ジスボーイ】Web Shop:通販サイト

【70年代ロックの名曲】
Derek and the Dominos
Layla (1970)

ブルースなどというわりと地味めの音楽を主な生業としているにしては、エリック・クラプトンの人気は日本でもものすごく高い。中でもこの曲は最も愛されている代表曲だろう。

デレク&ザ・ドミノスはクラプトンがアメリカで結成したバンドだ。
この曲が収録された1stアルバム『いとしのレイラ』だけを発表し、2ndアルバムの制作中に仲違いして解散した。彼は仲違いが得意なのだ。

歌の内容も有名だが、ビートルズのジョージ・ハリスンの奥さん、パティへの愛を歌った横恋慕の歌だ。いわゆるゲス不倫というやつである。
もし今の日本でこんな歌を歌うアーティストがいたら、文春とSNSでフルボッコにされて無期活動休止宣言である。まあそれはそれでヘンな世の中になったものだとは思う。

この曲はシビれるほどカッコいいギター・リフが印象的だけど、クラプトンのめずらしく激しく、情熱を剥き出しにしたようなヴォーカルがまた良い。

曲の前半はクラプトンが書き、後半のインスト部分はドラマーのジム・ゴードンが書いてらしい(彼の恋人が書いた曲をパクったという説もあるが)。この2曲を繋げたわけだ。

後半部分もゴードンの弾くピアノとクラプトンのアコギ、そしてゲスト参加したデュアン・オールマンのスライドギターなどでとても美しい仕上がりとなっている。
正直、若い頃はこの後半がいらんなあと思っていたけれども、今は結構好きだ。

デレク&ザ・ドミノスの解散後、どういうわけかメンバーを次々と悲劇が襲った。

クラプトンは薬物依存症となり、精神も病んで音楽活動を数年間休止する。
ベースのカール・レイドルも薬物中毒で、37歳の若さで世を去ってしまう。
ドラムのジム・ゴードンに至っては統合失調症に罹り、なんと母親を殺害して収監される。
ゲスト参加のデュアン・オールマンもこのレコーディングから1年後、ハーレーを運転中に交通事故死した。

悲惨極まりない、まさに呪われたバンドが残した、奇跡のような名曲だ。

(Goro)

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