クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル/フォーチュネイト・サン (1969)【’60s Rock Masterpiece】

Fortunate Son / Down on the Corner by Creedence Clearwater Revival (Single, Swamp Rock): Reviews, Ratings, Credits, Song list - Rate Your Music

【60年代ロックの名曲】
Creedence Clearwater Revival
Fortunate Son (1969)

タイトルは「幸運な息子」という意味だ。

当時はベトナム戦争の真っただ中。億万長者や政治家の息子に生まれたために戦地に送られずに済んだ「幸運な息子」と、その代わりとして徴兵される自分たち庶民の運命に対しての憤りを歌った歌だ。

ジョン・フォガティはデビュー直前に、実際に2年間兵役に就いている。そんな彼の心からの叫びなのだろう。C.C.R.にしては歌詞もサウンドもかなりハードなプロテスト・ソングとなっている。

反戦歌と呼ばれる歌には表面的にすぎるくだらないものが多くてわたしは滅多に共感できないが、この歌には共感する。

全米チャートでは14位だったが、その後、映画『フォレスト・ガンプ』で主人公がヘリコプターに乗せられてベトナムへ送られるシーンで使われるなど長く聴き継がれ、C.C.R.の代表曲のひとつとなっていった。

この曲を含め、C.C.R.時代の楽曲の著作権はフォガティの手を離れてしまっているため、この曲が彼の知らないあいだにラングラー社のジーンズのCMに使用されたこともあった。
フォガティは新聞のインタビューでそれについて訊かれ、あの歌はジーンズの売り込みとは何も関係がない、と怒りを表明した。ラングラー社はそれに素早く反応し、フォガティの意思を尊重してCMを中止するという一件もあった。

わたしはこんなジョン・フォガティの、どこまでもまっすぐなところが大好きだ。心から尊敬している。

20世紀最後の日、1999年12月31日にジョン・フォガティは、リンカーン記念館での「アメリカのミレニアム」ショーで、クリントン大統領の前でこの曲を歌った。

この動画を見てもわかるけど、年をとっても彼の声はまったく衰えを知らない。漲るパワーに圧倒される。

彼の怒りの炎は決して消えることはないし、C.C.R.解散後も訴訟問題で活動休止を余儀なくされるなど、人生の辛酸を舐め尽くした彼にはもう、怖いものなんてないのだろう。

John Fogerty – Fortunate Son (Live)

(Goro)

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