Warning: Undefined property: stdClass::$Offers in /home/xs949945/goro-music.com/public_html/wp-content/plugins/wp-associate-post-r2/classes/class-amazon.php on line 159
Warning: Attempt to read property "Summaries" on null in /home/xs949945/goro-music.com/public_html/wp-content/plugins/wp-associate-post-r2/classes/class-amazon.php on line 159
⭐️⭐️⭐️⭐️
The Beatles
“For Sale” (1964)
わたしは十代の頃からのストーンズ・ファンなので、ビートルズなんてあんまり熱心に聴かなかったのだけれども、なぜかこのアルバムはよく聴いた。理由はよくわからないが、なんとなくリラックスして聴ける、聴きやすいイメージがあった。初期のアイドル風を押し出した感じも薄まり、後期の実験的な作風もまだなく、気負いのない自然体に近い感じが良かったのかもしれない。
ビートルズはデビュー以来、およそ半年に1枚というとんでもないペースでアルバムをリリースしていくが、本作がその4枚目で、1964年12月にリリースされた。
本作もまた、ワールドツアーにテレビ出演にと過密スケジュールの中、クリスマス商戦に間に合わせるために、イギリスツアーの合間を縫って録音された。
前作『ハード・デイズ・ナイト』は初の全曲オリジナルでのリリースだったが、本作では14曲中6曲がカバーで占められている。カッコ内はカバー元のアーティスト。
【オリジナルLP収録曲】
SIDE A
1 ノー・リプライ
2 アイム・ア・ルーザー
3 ベイビーズ・イン・ブラック
4 ロック・アンド・ロール・ミュージック(チャック・ベリー)
5 アイル・フォロー・ザ・サン
6 ミスター・ムーンライト(ドクター・フィールグッド&ジ・インターズ)
7 カンサス・シティ/ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ(リトル・リチャード)
SIDE B
1 エイト・デイズ・ア・ウィーク
2 ワーズ・オブ・ラヴ(バディ・ホリー)
3 ハニー・ドント(カール・パーキンス)
4 エヴリ・リトル・シング
5 パーティーはそのままに
6 ホワット・ユーアー・ドゥーイング
7 みんないい娘(カール・パーキンス)
今回の8曲のオリジナルには、これまで以上にジョンとポールの個性の違いも浮き出してきていて、熟練と成長、そして新たなチャレンジへの意欲が窺える楽曲ばかりだ。その猛烈な過密スケジュールの中で、よくこんな高い完成度のものができたなと感心するが、もしかするとあまりの狂った状況が逆にナチュラルハイにさせたのではないかと想像もしたくなるほどだ。
A1「ノー・リプライ」のキンクスみたいなせつない系のメロディにいきなり心を掴まれる。後期ビートルズのジョン・レノンの感じはここから始まったという気がする。
ビートルズのアルバムのオープニング曲の中でもこの曲は好きなもののひとつだ。
A2「アイム・ア・ルーザー」、A3「ベイビーズ・イン・ブラック」、そしてポールの美しい佳曲「アイル・フォロー・ザ・サン」など、本作は全体にアコギの響きが印象的で、ボブ・ディランなどのアメリカン・フォークの影響やカントリー・ミュージックへの接近が感じられる。
B1「エイト・デイズ・ア・ウィーク」は開放的で爽快な、初期ビートルズ鉄板風のキャッチーな楽曲で、耳には残るけど、心に残るという感じではない。でもそれでいいのだ。いちいち残っていたら胃にもたれてしょうがない。アメリカではシングル・カットされ、全米1位を獲得している。
B4「エヴリ・リトル・シング」は珍しく、ポールが書いて、ジョンがリード・ヴォーカルをとっている。ティンパニを使いうなどアレンジ面も工夫しているけれども、こちらは耳には残りにくいけど、心のどこかに触れるものがある。
カバーも含めて、まあとにかく好きな曲ばかりだな。
ビートルズのキャリア前半のアルバムではいちばん好きなアルバムだ。
↓ アルバムのオープニングを飾る、ジョンの泣きメロが炸裂する「ノー・リプライ」。
↓ ポールが16歳の時に書いたという「アイル・フォロー・ザ・サン」。無垢な瑞々しさを感じる佳曲だ。
(Goro)