The Rolling Stones
2枚のシングルの後、1964年1月に発表されたのが4曲入りのEP『ザ・ローリング・ストーンズ』だ。これはストーンズに1stアルバムを制作させるべきかどうか、レコード会社による商業的なテストのような意味だったらしい。
SIDE-A
1. バイ・バイ・ジョニー(チャック・ベリーのカバー)
2. マネー(バレット・ストロングのカバー)
SIDE-B
1. ユー・ベター・ムーヴ・オン(アーサー・アレキサンダーのカバー)
2. ポイズン・アイヴィー(ザ・コースターズのカバー)
これが売れたらフル・アルバムが出せるということでメンバーたちも力が入ったか、演奏も良いし、なにより選曲がいい。売り上げを意識したのかキャッチーな曲ばかりだが、しかし「ジョニー・B・グッド」ではなくその続編で、知名度では劣るものの隠れた名曲である「バイ・バイ・ジョニー」をあえて選んだりもする気概がたまらない。
また、アメリカ本国ではほとんど知られていなかった、哀愁を帯びたメロウな作風のカントリー・ソウル歌手、アーサー・アレキサンダーの佳曲「ユー・ベター・ムーヴ・オン」のカバーはストーンズの新境地としても評価された。
そしてめでたくこのEPは全英EPチャートの1位を獲得し、3ヶ月後には1stアルバムのリリースと相成った。その意味で、ストーンズの快進撃のきっかけとなる重要な役割を果たしたEPだったと言えるだろう。
ストーンズはこの後さらに2枚のEPを発表するが、これら全部で3枚のEPをまとめたものが、2011年にリリースされた『60’s UK EPコレクション』だが、これは配信専用なのかな。全15曲入りですべてオリジナル・アルバム未収録なので、これもストーンズ・ファンとしては聴いておきたいところだ。
(Goro)