最近、ユニクロとのコラボTシャツも発売された、英マンチェスター出身のグラフィックデザイナー、ピーター・サヴィル。
わたしもユニクロの店頭で見つけて、ジョイ・ディヴィジョンのジャケのデザインTシャツを即買いしてしまいました。
1978年にマンチェスターに創立されたファクトリー・レコードの専属デザイナーとして活動し、ジョイ・デヴィジョンやニュー・オーダー、ロキシー・ミュージックやスウェードなどのレコード・ジャケットを手掛け、そのモダンで斬新な独特の美しいデザインは、思わずジャケ買いしたくなるほどの素晴らしいアートワークを多く生みました。
ここでは、そんなピーター・サヴィルの名アートワークから、至極のBest 10を選んでみたいと思います。(※中身の音楽は関係ありません。あくまでアートワークのみの評価です)
Suede – Sci-Fi Lullabies
スウェードの、シングルのカップリング曲などを集めた2枚組アルバム。
全英9位とよく売れ、内容も充実していることから、最高のBサイドコンピレーションのひとつとして高く評価された。
ジャケ写は、英空軍の演習に標的として使用され、破壊された戦闘機とのこと。
New Order – Power,Corruption & Lies
ニュー・オーダーの2ndアルバム。全英4位。ジャケとタイトルと音楽が全部合ってない感じが逆に良かったりする。
ジャケットは19世紀後半のフランスの画家、アンリ・ファンタン=ラトゥールの絵なのだそうだ。右上のカラーコードで一気にモダンに見える。
Suede – Coming Up
スウェードの3rdアルバム。全英1位。
スウェードは印象的なジャケが多いけど、中でもこれは鮮烈だった。
Ultravox – Rage in Eden
Roxy Music – Flesh + Blood
New Order – Movement
Joy Division – Closer
イアン・カーティスの死の2カ月後に発売された2ndアルバムにして、最後のアルバム。
伊ジェノヴァのアッピアーニ家の墓所の写真を使用した、いかにもイアンの死を象徴するようなジャケだが、実際にはイアンの死よりも前にアートワークは出来ていたそうだ。
New Order – Get Ready
ニュー・オーダーの7枚目のアルバム。全英6位。
オレンジのラインが効果的な、シンプルだけどカッコいいジャケだ。当時、ニュー・オーダーは苦手だったくせに、本気でジャケ買いしようと思ったアルバムだった。
Joy Division – Unknown Pleasures
ジョイ・ディヴィジョンの名盤1st。ピーター・サヴィルの代表作として知られるアートワークだ。
これは、地球から約2300光年離れたこぎつね座の方向にある中性子星が発する、1967年に史上初めて発見されたパルスの波形なのだそうだ。
なにがなんやらさっぱりわからないけれども。
Pulp – This Is Hardcore
英シェフィールド出身のロックバンド、パルプの6thアルバム。全英1位。
これをもしアナログ・レコードで見つけたら、刺激的なタイトルも相まって、買っちゃうだろうなあ。
以上、ピーター・サヴィルのアートワークBest 10でした。
アートワークの印象は、音楽の印象に必ず混ざり込んでくるはずの、重要なものだと思う。
でも、最近はサブスクなので、レコードやCDを買うこともすっかりなくなってしまった。
昔はジャケが気に入って買ってしまい、聴いてみてピンとこなくても、せっかく買ったのだからと好きになるまで繰り返し聴き、そうするといつかはなんとなく好きになるもので、そういうのが音楽との出会いの醍醐味だったものだ。
わたしも今はそういうこともすっかりなくなってしまった。
ちょっと寂しいなあ。