⭐️⭐️⭐️
ZZ Top
“Tres Hombres” (1973)
あのトレードマークの長いヒゲのむさ苦しいイメージと、ジージーなどというバンド名からも、「そんなジジくさいバンドなんか聴けるか!」と若い頃に思ってスルーし続けてきた米テキサスの3ピースバンド、ZZトップを最近になってやっと聴いてみたのである。
中でも気に入ったのがこの1973年7月にリリースされた3rdアルバム『トレス・オンブレス』だ。1stと2ndは全米チャートの100位にも入らなかったが、本作は全米8位の大ヒットとなった、彼らのブレイク作だ。
【オリジナルLP収録曲】
SIDE A
1 ウェイティン・フォー・ザ・バス
2 ジーザス・ジャスト・レフト・シカゴ
3 ビア・ドリンカーズ&ヘル・レイザーズ
4 マスター・オブ・スパークス
5 ホット・ブルー・アンド・ライチャス
SIDE B
1 ムーヴ・ミー・オン・ダウン・ザ・ライン
2 プレシャス・アンド・グレイス
3 ラ・グランジェ
4 シーク
5 ハヴ・ユー・ハード?
テキサス流ブルース・ロックとでもいうべきか、ガンガンに暑くても湿度が低く、カラッとした爽快さの風通しの良いサウンドが大いに気に入った。
60年代後半から70年代前半にかけて掃いて捨てるほどいた、暑苦しくて古臭くて退屈でオリジナリティのかけらもない「ブルース至上主義」みたいな白人のブルース・ロック・バンドがわたしは苦手なのだけれども、このZZトップはブルース・ロックでありながらもそういうものとはひと味もふた味も違う。
特にビリー・ギボンズのギターが面白い。ほとんど加工されていない、極めてシンプルな音なのに、それが様々な表情を見せ、攻撃的でもあれば変態的でもあり、ユーモラスで柔和な表情を見せたかと思えば狂ったように尖りまくったりもする。
特にシングルにもなった「ラ・グランジェ」のギタープレイは凄まじくカッコいい。必聴である。
わたしもZZトップがわかるぐらいにジジイになったってことだなあなどと感慨深く、嬉しく感じたが、よくよく調べてみるとこの当時のZZトップのメンバーは、たったの24歳だったのである。
↓ 全米41位まで上昇したシングル「ラ・グランジェ」
↓ 2ndシングルとしてリリースした「ビア・ドリンカーズ&ヘル・レイザーズ」。
(Goro)