ウィリー・ネルソン/オン・ザ・ロード・アゲイン (1980)

Honeysuckle Rose

【80年代カントリーの名曲】
Willie Nelson
On The Road Again (1980)

そもそもわたしがカントリーを聴くようになったのはジョニー・キャッシュを好きになったからだ。

彼の音楽はそもそもロックとカントリーの県境にあり、ロックからカントリーへと侵入してみるにはうってつけの近道だからだ。

そしてそのジョニー・キャッシュと共に〈アウトロー・カントリー〉と呼ばれ、カントリーの主流から距離を置いていたのがこのウィリー・ネルソンだ。

見た目も見るからにアウトローっぽいが、カントリーの枠に収まらず、ロックやR&Bやジャズの要素なども見られる幅広い音楽性や、ヒッピー思想への共鳴、そして他ジャンルのアーティストとの積極的な交流は、保守的なカントリー界からは異端児扱いされたのだった。

それもあって、ロック界にはウィリー・ネルソンをリスペクトするアーティストは非常に多い。

この「オン・ザ・ロード・アゲイン」では、仲間と歌を作り、旅をする、そんな人生を送っていきたいと歌っている。

また旅に出るんだ
ジプシー達のバンドのように
ハイウェイを下って行くんだ
僕らは最高の仲間達だ
世の中が変わり続けたって
僕らのやり方は変わるものか
僕らのやり方 それは旅に再び出ることなんだ

ああ また旅に出るのが待ちきれない
友人達と歌を作って旅をしたいんだ
僕は旅に出る人生を送っていきたいんだ

(written by Willie Nelson 訳詞:洋楽和訳(lyrics)めったPOPS)

まさにアウトロー、ジプシーのように音楽を奏でながらアメリカ中を旅しているウィリー・ネルソンのイメージにピッタリの、彼のテーマ曲のような名曲だ。カントリー・チャートで1位、全米20位のヒットとなった。

この曲はもともと1980年のアメリカ映画『忍冬(すいかずら)の花のように』というウィリー・ネルソン主演の映画の主題歌だった。

ウィリー・ネルソンは田舎町を巡業して回るカントリー歌手の役で、いつか自分の歌をレコードにしたいと願いながら、自由奔放な生活を送っているうち、バンドの若い女に手を出してしくじりを犯すという面白そうな話なのだが、わたしは未見だ。ぜひ見てみたいものだ。

(Goro)