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“What’s Love Got to Do with It”
監督:ブライアン・ギブソン
出演:アンジェラ・バセット、ローレンス・フィッシュバーン
音楽:スタンリー・クラーク
この映画は、テイナ・ターナーの自叙伝『私、ティナ』をもとに、彼女が幼少の頃に両親と別れ、祖母と暮らし始めるところから物語は始まる。
高校を卒業して病院で働きながら、セントルイスのナイトクラブに出入りし、そこで演奏していたアイク・ターナーのバンドに飛び入り参加したことがきっかけでティナはバンドに加入、その後、アイク・ターナーと結婚して、アイク&ティナ・ターナーとして活動を始める。
1960年の「ア・フール・イン・ラヴ」がヒットしたり、ローリング・ストーンズとツアーを回ったりと60年代は成功を収めていたが、プライベートではアイクがティナを暴力で支配するようになる。
70年代に入るとアイクのアルコール依存やドラッグの使用が原因で仕事に支障をきたし、ティナは彼の虐待から逃げ出そうと試みる。映画ではこのあたりからアイクは完全な悪人として描かれている。
ティナとアイクの離婚は78年に成立し、その後ティナはソロとして活動し、グラミー賞を受賞するなど大成功を収めた。
一方のアイクは、負債を抱えて仕事もままならなくなり、ティナのコンサート会場の楽屋にまで押しかけ、彼女を連れ戻そうとピストルで脅したりもした。
その後、アイクは薬物犯罪者として刑務所で服役し、出所後は音楽活動を続けたものの、2007年に76歳でこの世を去っている。
映画公開当時は存命中だったアーティストをここまで悪く描いた映画もめずらしいと思うけれど、浮気にドラッグに借金、ティナや子供たちへの暴力と、クズもいいところの男だからまあ、仕方ない。
どんなに才能があったとしても、家族を暴力で支配しようとする男なんて、刑務所に入るか死んだらいいのである。
(Goro)