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There Is No Authority But Yourself
監督:アレクサンダー・エイ
主演:ペニー・リンボー、スティーヴ・イグノラント
1977年から84年まで活動したイギリスのパンク・バンド、CRASSの主要メンバー、ペニー・リンボー(dr)とスティーヴ・イグノラント(vo)へのインタビューを中心にCRASSの活動を回顧したドキュメンタリー作品。
元々はスティーヴがクラッシュのライヴを観て影響を受け、ランボーの詩を好んで自らも詩を書いたりしていた20歳年上のペニーを誘って始めたバンドだったという。
音楽性よりも思想が強いのが特徴で、無政府主義を意味する「アナーコ・パンク」を掲げ、メジャー・レーベルの誘いを蹴って自主レーベルを立ち上げ、当時のサッチャー政権や、資本主義社会、キリスト教などを激烈な言葉で批判した。
バンド活動だけでなく、彼らの主張に心酔する支持者を率いて実際にデモや暴動、破壊活動を主導したり、政権を揺るがすために偽の盗聴テープを作ってマスコミに流布するなどの陰謀工作までしたという。その後、実際にソビエトのKGBが彼らをスカウトするために面接に来たらしい。
もう、バンドじゃなくて、活動家じゃん。
そうなると、俄然わたしは興味を失う。
わたしはいわゆる活動家の人たちが、ヤクザと同じくらい苦手なのだ。
途中で女性ヴォーカル、イヴ・リバティーンなども参加し(「参加したい」と言えば基本的には誰でもCRASSに参加できたという)、彼らの主張は多岐に渡っていった。無政府主義以外にも、反戦・反核・平和主義、個人主義、反キリスト教、反物質主義、反消費主義、反動物虐待、反環境破壊、反性差別、フェミニズム、などなど。
こんなに主義がたくさんあったら大変そうだ。
わたしは主義なしで生きていけるタイプなので、CRASSの支持者にはなれないだろう。
ただ、ジャケット・デザインとかTシャツとか、アートワークはカッコいいんんだよなあ、CRASSは。
(Goro)