The Ventures
Walk Don’t Run (1960)
「Ventures」なので、最近では「ヴェンチャーズ」と表記される場合もあるようだが、やはり昔から慣れ親しんだ「ベンチャーズ」じゃないとどうにも気持ちが悪いので、このブログでは「ベンチャーズ」表記で統一することにする。
ベンチャーズの曲はわたしはそんなにたくさん知らないし、熱心なファンではないのだけど、なんといっても彼らのおかげで日本のエレキギター人口が激増し、日本でロックが広まっていくきっかけをつくったという点では、もしかするとビートルズよりも貢献度は高いかもしれない。そのあたりの事情は大林宣彦監督の1992年の映画『青春デンデケデケデケ』にノスタルジックかつ瑞々しく描かれている。
ベンチャーズは最初、ドンとボブの二人のギタリストだけで米ワシントン州で結成された。
1960年にこの「ウォーク・ドント・ラン」でデビューし、いきなり全米2位の大ヒットとなった。
この曲をレコーディングした際のベーシストとドラマーは正式メンバーではなく、62年にはノーキーとメルが加入して4人編成のベンチャーズとなる。
本国よりも日本でのほうが人気のある洋楽アーティストのことを「ビッグ・イン・ジャパン」というらしいのだが、その代表格がベンチャーズだろう。
彼らが米国で売れていたのは60年代だけだったが、日本ではその後も人気を維持し、2022年には、「来日60周年記念ツアー」と銘打って、なんと74回目の来日を果たしている。全国津々浦々、田舎の公民館にまでやってくるのは、それだけ幅広い地域と世代に根強い人気があるからだろう。もちろんオリジナル・メンバーは残っていないが、ボブとメルの息子が在籍するなど、しっかり世代交代も果たして受け継がれている。
日本の音楽ファンは、好きな音楽はいくつになってもとことん聴き続ける、という特徴があるのだろう。わたしもそうだけれど。
しかしそれが正しい音楽ファンの姿だと思う。
↓ 大林宣彦監督『青春デンデケデケデケ』予告編。
(Goro)