ザ・ストラングラーズ『野獣の館』(1977)【最強ロック名盤500】#239

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【最強ロック名盤500】#239
The Stranglers
“Rattus Norvegicus” (1977)

驚くべきことに、ストラングラーズは現在も現役である。結成から50年、メンバー・チェンジは頻繁にあったものの一度も解散せず、オリジナル・メンバーでベーシストのジャン=ジャック・バーネルが率い、これまでに18枚のアルバムを発表している。

彼らもまた70年代イギリスのパンク・ムーヴメントの真っただ中にデビューしたバンドだったが、今ではピストルズやクラッシュ、ジャムなどと比べるとやや知名度の低い、ややマニアックなバンドのイメージだ。

しかし本国では彼らはパンク・ロックというよりニュー・ウェイヴの先駆者と捉えられ、最初の4枚のアルバムはすべて全英アルバム・チャートの4位以内に入り、80年代に入ってからも人気は続き、シングルもアルバムも売れ続けていた。そういう意味では、あの時代に出てきたイギリスのバンドの中では、結局最も成功したバンドだったのだ。

本作は、1977年4月にリリースされた、ストラングラーズの1stアルバムである。

【オリジナルLP収録曲】

SIDE A

1 サムタイムズ
2 グッドバイ・トゥールーズ
3 ロンドン・レディ
4 街角のプリンセス
5 ハンギング・アラウンド

SIDE B

1 ピーチズ
2 グリップ
3 アグリー
4 ダウン・イン・ザ・スーワー

アルバムは全英4位の大ヒットとなり、シングル・カットされたB1「ピーチズ」も全英8位のヒットとなった。

同期のパンク・バンドに比べて少し毛色が違うのは、ドアーズみたいなキーボードが入っていることだ。また、どことなく落ち着き払った、はっちゃけない感じがするのも、彼らがすでにキャリアも積み、二十代後半でデビューした、演奏技術もあるインテリ連中だったからである。

なので音楽性も若干プログレッシヴな要素も感じられ、キーボードの使い方もどこかダサい垢抜けない感じもする。ジャケット写真がまたそれを象徴していて、いかにもパンクでクールな兄ちゃんと、髭を生やしたオジサンの両方がいるように、音楽性もまたパンクと髭オジが共生しているような感じなのである。しかしそれもまた個性であり、味のうちである。

三色ふりかけだって、いつもは「のりたま」や「たらこ」ばかりかけるけれども、たまには「ごましお」もかけたくなるものだ。そして最後には「ごましお」が残るのである。

うーん 、、、

ちょっと例えがしっくりこないけれども、要するに、ロックにだっていろんな味があっていいのだ、ということである。

↓ ダサかっこいいキーボードがハジけるイントロが印象的なオープニング・トラック「サムタイムズ」。

↓ 全英8位のヒットとなった、なんとも個性的な初期の代表曲「ピーチズ」。

(Goro)

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