ザ・スペシャルズ/ルーディたちへのメッセージ (1979)

Specials

【70年代ロックの名曲】
The Specials
A Message To You Rudy (1979)

黒人・白人混合というメンバー構成のスペシャルズは、1977年にイギリスのコヴェントリーという町で結成された。

自動車や航空機産業の盛んな工業都市で、戦後は仕事を求めてジャマイカ人が大量移民してきたという土地柄らしい。そのためスカやレゲエが日常的によく聴かれていたということだ。

なんでレゲエをやるイギリス人アーティストが多いのかと思ったら、そういう事情だったのだ。

この曲は彼らの1stアルバム『ザ・スペシャルズ』の冒頭を飾る曲だ。1967年に発表された、ジャマイカのミュージシャン、ダンディ・リヴィングストンのヒット曲のカバーだ。

スペシャルズのリーダー、ジェリー・ダマーズは後年、「俺たちはオリジナルのスカへのリスペクトを示すためにこの曲を選んだ。でも同時に、当時の英国の若者たちにも響くようにしたかったんだ」と語っている (モジョ誌インタビュー 2009年)。

ハーモニカの素朴なイントロから始まるゆっくりめのロックステディ(スカからレゲエへ移行する中間のスタイル)で、つい一緒に口づさみたくなるようなメロディだ。

「ルーディ」とはジャマイカの不良少年たちを指す言葉だ。

そのルーディたちへ、「悪いことから足を洗え、さもないと一生刑務所暮らしになるぞ」と諫める歌だが、それを歌ってるこいつらこそチンピラ感丸出しなので、きっとこれは先輩から後輩へのリアルガチなメッセージなのだろう。

↓ オリジナルのダンディ・リヴィングストンのバージョン。

(Goro)