The Rolling Stones
『The Best of F××king Rock and Roll』
ブルース、カントリー、ソウル、ファンク、ディスコなどなど、たぶん、ロック史上最も音楽性の幅が広いバンドのひとつであるローリング・ストーンズだけれど、ビートルズみたいにアート化や複雑化のほうにだけはいかなかった。まあ、正確に言えば、ちょっとやってみたけど、向いてないと悟ったのか、二度と手を出さなかった。
その代わりにシンプルなチャック・ベリー直伝のロックンロールを何年もかけて磨きをかけ、育て上げ、心に残るものはないけれども、とにかく勢いと高揚感だけはあるという、究極の「クソ・ロックンロール(もちろん誉め言葉だ)」を極め、多くのレコードの溝を埋めた。
わたしはこの「クソ・ロックンロール」だけを集めたレコードがもしあったら、めちゃくちゃカッコいいロックンロール・アルバムが出来るのではないかと妄想したのだった。
そしてチョイスしたのが以下の10曲である。
ストーンズのベスト・アルバムに入りそうな曲はほぼ無いし、好きな曲や優れた曲は他にもあったものの、ここでは流れを重視し、曲順にこだわって、この10曲を選んだ。
自分で聴いてもほれぼれするほどだ。
全10曲で33分。こんなカッコいいロックンロール・アルバムを聴いたのは『ラモーンズの激情』以来かもしれない(言い過ぎかもしれない)。
ストーンズを初めて聴く方にはまったく奨めないけれど、コアなストーンズ・ファンのみなさんにはぜひ、プレイリストにするなりして、試しに聴いてみてほしいなと思います。
Respectable(1978)
オープニングはアルバム『女たち』からのシングル。全英23位。この時代だから、たぶんパンクへの対抗心なんだろうな。
Summer Romance(1980)
『エモーショナル・レスキュー』収録曲。このテキトーな感じに、テンションが上がる。
Hang Fire(1981)
『刺青の男(Tatoo You)』収録曲。イントロのキャッチーなコーラスがカッコいい。シングルでもないのに、こんなPVがあったとは。。
Let Me Go(1980)
『エモーショナル・レスキュー(Emotional Rescue)』収録曲。なんか、やっぱり、チャーリー・ワッツって最高。
Lies(1978)
『女たち(Some Girls)』収録曲。これでA面ラストだ、盛り上がれ。
Had It with You(1986)
B面の1曲目はこの『ダーティ・ワーク(Dirty Work)』収録のスカスカ・ロックンロール。ベースが入ってないのは意図してのことなのか、単にベーシストが来なかったのかは不明。
Dirty Work(1986)
アルバム『ダーティ・ワーク(Dirty Work)』のタイトル・トラック。沢田研二もカバーした、ハイテンション・ロックンロール。
Wanna Hold You(1983)
キース・リチャーズがリード・ヴォーカルの曲。『アンダーカヴァー(Undercover)』収録曲。
Hold on to Your Hat(1989)
『スティール・ホイールズ(Steel Wheels)』収録曲。ハイテンション・シャッフル・ロックンロール。
Rip This Joint(1972)
アルバムの最後を締めくくるのは『メイン・ストリートのならず者(Exile on Main St.)』収録の超ハイテンション・ロックンロール。「ストーンズのパンク・ロック」と呼ぶ人も。
選んだ10曲がぶっ続けで聴けるまとめ動画集をYouTubeで作成しました。
↓まとめ動画集
ぜひお楽しみください。
(Goro)