The Rolling Stones
- Show Intro
- Everybody Needs Somebody to Love
- Pain in My Heart
- Down the Road a Piece
- Time Is on My Side
- I’m Alright
- Off the Hook
- Little Red Rooster
- Route 66
- I’m Moving On
- The Last Time
- Everybody Needs Somebody to Love (Finale)
『チャーリー・イズ・マイ・ダーリン』とは、1965年9月のストーンズのアイルランドでの2日間のライヴツアーの模様を追いかけたドキュメンタリー映画だ。しかし当時は、悪徳マネージャー、アラン・クレインとの法廷闘争の影響でお蔵入りとなった。
そして、それから50年後の2012年にこの映画は、そのアラン・クレインの設立したアブコレコードからDVD・Blu-rayとしてリリースされた。残念ながらわたしは未見だ。内容はよく知らなかったが、映像がキレイだし、字幕がついているなら見る価値はありそうだ。下はその予告編だ。
これは、その映画のライヴ・シーンを収録した、配信専用のライヴ・アルバムだ。アブコレコードは60年代のストーンズの楽曲の権利を持っているため、今でもときどき貴重な音源やヘンな音源がリリースされ、マニアックなストーンズ・ファンを喜ばせたり、困らせたりしている。
アラン・クレインはそもそも、不正な経理などがミックにバレて、ストーンズのマネージャーを解雇されている。それがなんで60年代のストーンズの楽曲の権利を持っているのかわたしは事情を知らないが、たぶんだけど、ストーンズから友好的に譲渡された、ということはなさそうに思える。
アラン・クレインは2009年に死去し、現在アブコレコードは息子のジョディ・クレインが引き継いでいる。
ちなみにこのライヴ音源は配信専用である。CDやレコードでは発売されていない。だからここで取り上げるのに少しだけ迷ったが、まあサブスク全盛の今、配信専用作品をレコード・CD作品と区別する意味もあまりないだろうと思い、同列に取り上げることにした。
録音時期は、前回取り上げた5曲入りEP『ガット・ライヴ・イフ・ユー・ウォント・イット!』よりも半年ほど後のアイルランドでのライヴだが、あのEPに収録されていた5曲はここでも演奏されている。オープニングも同じメドレーで始まる。当時のセットリストがこんな感じだったのだろう。
ストーンズの演奏をかき消すほどの観客の女の子たちの阿鼻叫喚はアイルランドでも同じだったようだ。バンドはきっとモニターの音もまともに聴こえていなかったに違いないが、よくこれで演奏していたものだと思う。
当時の他のライヴ盤には収録されていなかった「オフ・ザ・フック」「リトル・レッド・ルースター」が収録されているのが嬉しい。どちらもこの嵐のような環境の中にしては悪くない演奏だ。
それにしても、ロックンロールならともかく、こんなハウリン・ウルフの激渋ブルースのカバーに女の子のひときわ高い嬌声が湧き起こるなんて、何度聴いても不思議な気がする。彼女らは家でも、うっとりとストーンズの「リトル・レッド・ルースター」のレコードを聴いていたのだろうか。だとしたらなかなかの激渋女子たちだ。
(Goro)