ザ・ローリング・ストーンズ/ユー・ガット・ザ・シルヴァー(1969)

レット・イット・ブリード

ザ・ローリング・ストーンズ
【100グレイテスト・ソングス】#24
The Rolling Stones – You Got The Silver

キース・リチャーズがリード・ヴォーカルを取っているストーンズの曲はどれくらいあるかなぁ?
20曲ぐらいあるかな?

その中で一番好きなのはなんだろうかと考えたのだけど、まあたぶんこの「ユー・ガット・ザ・シルヴァー」かも。

この曲は1969年の名盤『レット・イット・ブリード』収録曲で、キースが初めてリード・ヴォーカルをとった曲でもある。

しかし本来はミックが歌っているはずだった、という説がある。
レコーディング・エンジニアのグリン・ジョンズが自伝で次のように語っている。

『レット・イット・ブリード』の制作中にもうひとつ、わたしの無能ぶりを示す出来事があった。
ジミー・ミラーと〝ユー・ガット・ザ・シルヴァー〟をミックスしていた際、ジミーがリード・ギターにリヴァース・エコーをかける案を思いついた。テープを上下反対にして逆に回し、ギターにエコーをかけ、チェンバーからの戻りを空トラックに録るという技だ。
わたしは初めてだったこともあって、どちらが空トラックなのかを見誤り、ものの見事にミックのヴォーカルを消してしまった。
折悪く、ミックは1万マイル彼方のオーストラリアで映画『太陽の果てに青春を』の撮影中だった。
わたしは死ぬほど恥ずかしかったのだが、幸いにも、この過ちにも救いがあった。
わたしたちの頼みを受けて、キースが歌ってくれることになったからだ。
(出典:ウィキペディア)

本当かな?
本当ならミックが激怒しそうな話だし、キース・リチャーズの自伝には、「おれがソロで歌ったのは、仕事を分散して負担を軽減してやる必要があったからにすぎない。(棚橋志行訳)と書かれているだけだ。

なんとなく、グリン・ジョンズの話のほうが具体性があるので本当っぽいが。

もしかするとキースも、ミックのヴォーカルが消えてしまったことは知らされていなかったのかもしれない。「ちょっとキースの歌も聴いてみたいねえ」なんて乗せられて歌ったのかもしれない。

まあどっちにしろ、おかげでこんな素晴らしいトラックが生まれたのだから良かったのだけれど。

Keith Richards – You Got The Silver (Live)