【100グレイテスト・ソングス】#95
The Rolling Stones – Biggest Mistake
『ア・ビガー・バン』からの第3弾シングルとなった曲。
「ひとりで食事をし、ただソファーに座って酒を飲みながらテレビを見る。そして友人と電話をするだけで一日が終わってしまう」という男は、彼女と暮らした幸福な日々があったのに、「それをあたりまえに思って、せっかちな態度で不親切に行動し、家を出てきてしまった。それは人生最大の過ちだった」と歌う。
アコギで弾かれるサウンドと遅めのテンポ、還暦になった男たちの演奏によるリアリティが、心を揺さぶる名曲だ。
聴きながら自然と、わたしの人生最大の過ちはなんだっただろう、と想いをめぐらしてしまう。
わたしの場合は、過ちが多すぎて、どれが最大なのかよくわからない。
でも、タイムマシンで過去に遡ってなにかをやり直せるとしても、きっと怖くてできないだろうな。
それをやり直したことで、なにかが得られるかもしれないけれど、同時になにかが失われるだろうし、また別の深刻な問題を抱えるかもしれない。
わたしにとって大切な人間が、記憶もろとも消えてしまうかもしれない。
それはもう、想像しただけでもゾッとする。
息が止まりそうになるぐらい、胸が締め付けられる。
こんなたいしたことない人生でも、失いたくないものは結構あるものだ。
きっと、過ちによって得られたものもあるに違いない。
じゃあ人生の過ちも、そんなに悪いものじゃないな。