ザ・ポリス/高校教師 (1980)

Sting | Discography | Don't Stand So Close To Me, 7''

【80年代ロックの名曲】
The Police
Don’t Stand So Close to Me (1980)

ポリスの3rdアルバムからの先行シングルで、全英1位、全米10位となった大ヒット曲。

『ゼニヤッタ、モンダッタ(Zenyatta Mondatta)』というなんだかいかがわしいアルバム・タイトルのオープニングが「高校教師」ときたら、どうしてもいかがわしいことを連想してしまう。

実際、教師を誘惑しようとする女子生徒のことを歌っているのだけれど、邦題こそ「高校教師」と付けられているものの、「Young Teacher」「This girl is half his age」という歌詞からすると、高校生よりもっと若い、中学生ぐらいの女生徒のことではないかとさらにいかがわしい想像に発展してしまう。

「僕に近寄らないで! 僕に近寄らないで!」と連呼し過ぎなのも気になる。近寄ったらどうだと言うのだろう。我慢する自信がないということだろうか。

スティングによれば、この教師は誘惑に負け、生徒を車に乗せ、車内でまぐわい、それがバレて学校をクビになるというストーリーなのだという。

最後は「ナボコフの本に出てくる老人のように」という歌詞で締めくくられる。これはもちろん、ウラジミール・ナボコフの有名な小説『ロリータ』のことを示唆しているのだろう。

実際に教員免許を持っているスティングは、この曲で付いたイメージから、高校の教師だったと勘違いされやすいけれども、実際には小学校の美術教師だった。この曲は教育実習で高校に行ったときの経験や、この当時スティングは30歳だったにもかかわらず、十代の少女のファンたちに囲まれる違和感から、インスピレーションを得て書いたという。

ちなみに1993年に日本で大人気となったTVドラマ『高校教師』は、脚本の野島伸司がこの曲からインスパイアされて書いたものなんだそうな。

余談だけど、このPVの中で、スチュワート・コープランドがスティングに紙くずらしきものを投げつけるシーンがある。演出にしては変なので、きっとアドリブだろう。

スチュワートはふざけてるつもりなのだろうが、こういうのってガチでイラッとするものだ。この時期から二人の仲が険悪になっていったのは、スチュワートのこういう性格のせいもあったんじゃないかと勝手に想像してしまう。

(Goro)