The Pogues
Dirty Old Town (1985)
ザ・ポーグスは、1984年にデビューした8人編成のバンドだ。わたしはその音楽性から、長らくアイルランドのバンドと勘違いしていたが、ヴォーカリストのシェイン・マガウアンがイギリス生まれのアイルランド人ではあるものの、ロンドンで結成されたバンドであった。
バンド名は最初、ポーグ・マホーンという名前だったらしいが、ゲール語で「おれのケツにキツしろ」という意味であったため、BBCで放送を禁じられてしまった。それをきっかけにザ・ポーグスと改名したという。
彼らはそもそもパンク・バンドだったのだけど、ケルト音楽の要素や楽器を持ち込むうちに音楽性が変化し、8人編成の大所帯へと膨れ上がった。やがて彼らは「ケルティック・パンク」と呼ばれるようになった。
わたしが彼らを知ったのは、当時の音楽雑誌のインタビュー記事での、アル中のフロントマン、シェーン・マガウアンのクズすぎるキャラクターが印象的だったからだ。やつの写真を見るたびに「歯ァ直せよォ」と思ったものだ。
ちなみにシェーンが91年に脱退した後、後任のヴォーカリストには短期間であったが、ジョー・ストラマーが加入していたこともある。
この曲はイワン・マッコールというフォークシンガーが書いた曲だ。フォークと言っても、イギリスのフォークみたいなクールなやつではなく、トラッド風の古風なやつだ。
作者の育ったマンチェスター地方の、その昔は工業都市として発展したものの、今は寂れてしまった町への想いを込めた歌である。
(Goro)