The Monkees
Daydream Believer (1967)
モンキーズはアメリカのTV番組の「ビートルズみたいな人気グループを売り出そう」という企画のオーディションでメンバーが集められ、1965年に誕生したグループだ。
いわば、モーニング娘。やワン・ダイレクションなどの元祖のような存在と言える。
テレビ番組とレコード販売を連動させたメディアミックスの先駆けとも言えるが、狙い通り番組もレコードも大ヒットした。アメリカでも日本でも。そして本当に、ビートルズに替わって全米チャートのトップを独占した。
アイドルなので大衆受けを狙ったコミカルな要素などはあるものの、素晴らしいポップソングのヒット曲も多い。中でもこの曲は、胸に染みる、永遠に聴き継がれるべき名曲だ。
「町いちばんの女の子と暮らしてしみじみ幸福を実感してまーす」というようなのろけた歌だけど、わたしはこれを、過去にあった夢のように幸せだった日々の思い出にふける、ちょっとせつない歌のように受け取って聴いていた。それはきっと1989年にシングルリリースされた日本の覆面バンド、ザ・タイマーズによる日本語カバーの影響によるものだろう。あの忌野清志郎による日本語詞は、訳詞ではなくほとんどオリジナルなのだ。
ちょうどそのカバーがヒットしていた頃、わたしはまたしても性格上の大いなる欠陥から、付き合っていた彼女から手痛いフラれかたをしていたのだ。だから当時はこの曲を聴くとせつなく、胸に熱いものがこみあげたものだった。
もちろん今はもうそんなことはない。
すべての出来事がその後の人生の展開に繋がったのだとしたら、なにもかも「あれはあれで良かったのだ」と思えるものだ。
↓ 日本の覆面バンド、ザ・タイマーズによって1989年10月にシングルリリースされたカバー。オリコン2位まで上がるヒットとなった。変なMVだが、一応公式らしい。
(Goro)