ザ・ジャム『イン・ザ・シティ』(1977)【最強ロック名盤500】#240

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【最強ロック名盤500】#240
The Jam
“In the City” (1977)

最初わたしはジャムをパンク・バンドだと思って聴いていた。

ピストルズ、クラッシュ、そしてジャム、というのがわたしは3大ロンドン・パンクだと思っていて、いやジャムはモッズだよと言われても逆にピンと来なかった。まあどっちでもいいと思う。ジャムはジャムだ。

でもまあ確かにジャムにはセックス・ピストルズみたいなチンピラ感はない。

真面目な優等生が、放課後には意外に激しいロックやってる、みたいなのがわたしの勝手なイメージのザ・ジャムだ。少女コミックにありそうな設定だな。見た目もスタイリッシュでカッコいいけど、その音楽もまた、潔いほどの天真爛漫さで疾走するスピード感が爽快だ。こんなカッコいいバンドも滅多にない。

本作はそんなジャムが1977年5月にリリースした1stアルバムだ。2曲のカバー以外はすべてヴォーカル&ギターのポール・ウェラーが書いたものだ。アルバムは全英20位まで上昇するヒットとなった。

【オリジナルLP収録曲】

SIDE A

1 芸術学校
2 住所変更
3 スロー・ダウン(ラリー・ウィリアムズのカバー)
4 時に追われて
5 気ままに
6 バットマンのテーマ(TV主題歌のカバー)

SIDE B

1 イン・ザ・シティ
2 都会の音楽
3 ノン・ストップ・ダンシング
4 今度こそ本当
5 テイキング・マイ・ラブ
6 煉瓦とモルタル

いきなりA1「芸術学校」から、弾け飛ぶようなエネルギーと荒っぽい焦燥感がたまらない。

A6「バットマンのテーマ」なんかは、いかにも当時18歳のガキらしい遊び心あふれる選曲だけれども、キレのある演奏がまたカッコいい。B2「都会の音楽」なんかもまた、ザ・フーみたいな感じもあって好きな曲だ。

全体的に楽曲の完成度は後のジャムほどではないし、音もあんまり良くはない。それでも、この無邪気な勢いと疾走感は何物にも替え難い魅力がある。

B1「イン・ザ・シティ」は、ザ・ジャムのデビュー・シングルであり、代表曲だ。
「マイ・ジェネレーション」や「すべての若き野郎ども」のような、いわゆる若者賛歌である。

この街で輝いて見えるのは25才以下のやつらだけだ
あんたら大人はおれたちをクソだと思ってるだろ
おれはあんたらに言いたいことが山ほどあるんだ
青臭いかもしれないけど、おれは言ってみたい、叫びたいんだ
(written by Paul Weller)

実はザ・フーにも「イン・ザ・シティ」という曲があって、よく似たフレーズが出てくることからもその曲が元ネタになっていることは間違いない。

もちろん、ジャムの曲のほうが断然かっこいい曲になっているのでパクりだのなんだのとディスるつもりは毛頭ない。師匠から精神とお題を引き継いだだけのことである。

これを書いたポール・ウェラーは当時たったの18歳。
20歳で「マイ・ジェネレーション」を書いたピート・タウンゼントをも凌駕するような、「恐るべき子供」の再来だった。

↓ 闇雲な疾走感と荒っぽさがシビれるオープニング・トラック「芸術学校」。

↓ ザ・ジャムの代表曲であり、永遠のロック・アンセム「イン・ザ・シティ」。

(Goro)

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