米ケンタッキー州出身、ドンとフィルの実の兄弟によるデュオ、エヴァリー・ブラザーズは、1956年にデビューした。
ちょうどエルヴィスやチャック・ベリーなどによるロックンロール旋風が吹き荒れていた頃だが、カントリー・ミュージシャンの父親を持つ彼らは、カントリー側からロックンロールへの接近を試みたデュオだった。
ポップなメロディと乾いたアコースティック・サウンドと、そしてカントリー・スタイルの緊密なハーモニーを武器に、1957年から62年にかけて、シングル・ヒットを連発した。
わたしは若い頃に聴いたときは彼らの魅力はあんまりよくわからなかったけれど、年を取ってから聴いてみて、その清々しく爽快な声とサウンドの気持ち良さに気づき、特に重すぎずベタベタしない、美しいバラードにも魅了されるようになった。
たぶん今はもうあんまり聴かれないのかもしれないけれど、彼らはビートルズやビーチ・ボーイズに大きな影響を与えたし、サイモン&ガーファンクルは彼らに憧れてデュオを結成したのだ。ロック史における重要なアーティストの1組であることは間違いない。
以下はわたしがお薦めする、最初に聴くべきエヴァリー・ブラザーズの至極の名曲5選です。
Bye Bye Love
彼らの2ndシングルで、全米2位、全英6位の大ヒットとなったブレイク作。
名ソングライターコンビ、フェリスとブーデロウのブライアント夫妻の作で、リード・ギターはチェット・アトキンスだ。
Wake Up Little Susie
これもブライアント夫妻作の3rdシングルで、全米1位、全英2位の、前作を上回るスーパー・ヒットとなった。
映画を観に行った高校生のカップルが映画のつまらなさに眠ってしまい、目覚めたときには午前3時、とっくに門限を過ぎてしまっていて、やっべえ、どうしよう、と慌てるという可愛らしい歌詞だ。
All I Have to Do Is Dream
全米1位、全英1位となった、エヴァリー・ブラザーズの代表曲。美しいメロディのバラードで、わたしもこの曲が1番好きだ。これもブライアント夫妻の作。
Take a Message to Mary
全米16位、全英20位と、少し地味な成績となったが、この曲も素晴らしいバラードだ。ビートルズが彼らから影響を受けたというのがよくわかる。ブライアント夫妻作。
罪を犯して刑務所に入った男が、恋人に刑務所に入ったことは隠して、結婚式はキャンセルだ、別れよう、わたしを待つのはやめて、新しい恋人をみつけてくれ、と伝えてほしいと頼むせつない歌詞だ。
Cathy’s Clown
エヴァリー兄弟が書いた作品で、全米1位、全英1位の大ヒットとなり、彼らにとって最も売れたシングルとなった。
独創的なメロディ、そして独特のドラムサウンドも面白い。
入門用にエヴァリー・ブラザーズのアルバムを最初に聴くなら、レーベルの枠を超えた便利なベスト盤『ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・エヴァリー・ブラザーズ』がお薦め。最初に聴くべき代表曲はすべて網羅されています。
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(by goro)