【60年代ロックの名曲】
The Doors
Break On Through (To The Other Side) (1967)
The Doors
Break On Through (To The Other Side) (1967)
ドアーズのデビュー・シングルだ。
全然ヒットしなかったようだけど、わたしはドアーズでいちばん最初に好きになった曲だった。
この曲から始まる1stアルバムは凄かった。あまりに凄すぎて、夜にしか聴けなかった。
1stアルバムとしては異常に完成度が高い、突然変異の怪物のようであり、内容は背徳的であり、ベース不在のサウンドは畸形的であり、フロントマンは知性を持った悪の化身のようであり、全体的にエロであり、ポップなのにそこはかとなくグロでもあるのだ。昼間っから聴くものではないだろう。
不穏なイントロで始まるこの曲は「向こう側へ突き抜けろ!」と歌う、あからさまなドラッグ・ソングだ。
あの時代だからよかったけれど、今同じような歌を日本のアーティストが歌ったら、ネットでくだらない正論を浴びせられ、ワイドショーで叩かれ、活動停止に追い込まれ、損害賠償を求められ、バンドは解散するハメになるだろう。
イヤな世の中になったものだ。
大らかだった時代がなんとも羨ましい。
(Goro)