The Cure
Boys Don’t Cry (1979)
1979年6月発売の、ザ・キュアーのセカンド・シングルだ。キュアーの中ではわたしが最も好きな曲のひとつだ。
当時19歳だったロバート・スミスは、「ポップでキャッチーだけれども、歌詞は自己否定的で切ない」というスタイルを意識的に狙っていたそうで、この曲はまさにその代表格だ。
歌詞は「失恋したけど、男だから泣かないふりをする」みたいなシンプルなものだけれども、作者のロバート・スミスは後に「感情を見せないよう強いられる男たちへの風刺でもある」(NME誌インタビュー 1993年)とも語っている。
男のなんだから泣いちゃダメ、というのはどうやら日本もイギリスも同じらしい。
暗黒系のイメージがあるキュアーだけれども、この曲は印象的なギター・リフと、シンプルで明るい曲調の比較的親しみやすい曲だ。
明るい、と思わず書いてしまったが、これでもキュアーにしては明るいほうなのだ。
ギリギリ、一般の人にもお薦めできると思うけれど、どうかな。
内向的で暗いのがキュアーの個性なので、好き嫌いが分かれるだろうが、70年代末のイギリスでデビューしながら、パンクをやらずにひと足先にゴスみたいな路線を打ち出したのはなかなかのひねくれ者というか、しっかりオリジナリティを持ったバンドだと思う。
NME誌はこの曲を2014年の特集「失恋ソングの名曲100選」に選んでいて、「無邪気さと切なさの完璧なバランス」と評した。
(Goro)
コメント
1991年の1月(2月だったかも)、ロンドンのウェンブリーアリーナで2日間に渡るライブイベントがあり、両日とも観に行ったどちらかのトリが彼等でした。もう片方のトリがハッピーマンデーズで、実はそちらを楽しみにしていたのですが、今一つの出来でやや残念だった記憶があります(余談ですが、PVが流れただけのザ・ストーン・ローゼズがめちゃくちゃ盛り上がりました)。
当時はまだまだ自分のリスナー経験も未熟で、ザ・キュアーについては名前と数曲を知っていただけでしたが、ライブがとんでもなく素晴らしく、本当にびっくりしました。本物のスタジアム級バンドの力量を思い知りましたね。そしてその日の観客は明らかにザ・キュアーのフォロワーと思しきロバート・スミス風のボサボサツンツン頭にぼってりスニーカーの若者が会場内に沢山おり、「ピクチャーズ・オブ・ユー」に合わせてゆらゆらしていたのが、今も深く思い出として心に残っております(笑)。勿論「ボーイズ・ドント・クライ」も演ってくれて盛り上がりましたヨ!
いつもありがとうございます!
91年初頭なら、わたしが彼らの最高傑作と考えているアルバム『ウィッシュ』のレコーディング直前ぐらいですね。だとすると、キュアーが一番脂の乗った良い時期ではなかったかと思います。
ですよね、やっぱりインディ系の若いバンドとかとは実力差も格も違うでしょうね(笑)
わたしもその頃のキュアーは観てみたかったなあという気がします。