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The Cardigans
“Life” (1995)
爽やかな土曜の朝にぴったりのアルバムだ。
わたしが間違えて配送ドライバーの仕事を始めた頃、カーラジオのFM放送からは大袈裟でもなんでもなく、「朝から何回聴くんだよ!」というぐらいカーディガンズの「カーニヴァル」が繰り返し繰り返し流れてきたものだった。ヴィンテージ機材を使用したというそのアンティーク風のサウンドと秀逸なアレンジが新鮮だった。
ザ・カーディガンズは1994年にデビューしたスウェーデンのバンドだ。
ヴォーカルのニーナ・パーションという女性のキュートな歌声と親しみやすいメロディ、60年代風のレトロなサウンドが印象的な「カーニヴァル」は、本国以上に日本で大ヒットした。
その「カーニヴァル」を収録した本作、彼らの2ndアルバムとして1995年3月にリリースされた『ライフ』はオリコン総合13位、日本で50万枚を超える、洋楽としては異例の大ヒットとなった。
【オリジナルCD収録曲】
1 カーニヴァル
2 ゴードンズ・ガーデンパーティー
3 ダディズ・カー
4 パイクバブルス
5 トゥモロウ
6 ビューティフル・ワン
7 トラヴェリング・ウィズ・チャーリー
8 ファイン
9 サンデイ・サーカス・ソング
10 ヘイ!ゲット・アウト・オブ・マイ・ウェイ
11 クロージング・タイム
聴きどころは「カーニヴァル」だけに終わらず、60年代のポップスやソフト・ロック、ラウンジ・ミュージック、スウィング・ジャズやボサノヴァの要素なども取り入れた楽曲が並ぶ本作は、遊び心満載ながらも完成度の高いコンセプト・アルバムのようだ。
まるで、築百年の古民家を改装してオープンしたオシャレなケーキ屋さんといったイメージだ。しかも、しっかりと修行を積んだパティシエによるケーキは、ただ甘ったるいだけではない、奥深い味わいがある。
このカーディガンズのブレイクをきっかけに、日本ではメイヤやクラウドベリー・ジャムなども人気を博し、ちょっとしたスウェディッシュ・ポップ・ブームとなった。カジヒデキのような渋谷系草食男子たちがブームの牽引役となったのも拍車をかけたようだ。
わたしはそんなオシャレなブームには縁のない底辺系肉食男子だったが、しかしちょうどオルタナティヴ・ロックへの熱が沈静化していた頃で、荒地を吹き渡る清涼な風のようにカーラジオから流れてくる「カーニヴァル」は、配送の仕事に明け暮れるわたしの殺伐とした心を癒したものだった。
オシャレで洗練されたイメージのカーディガンズだけれども、ギターとベースの2人はもともとヘヴィ・メタルの熱狂的なファンである。このカーディガンズでも、ブラック・サバスの「血まみれの安息日」などもカバーしているほどだ。ただし、もちろんカーディガンズらしいオシャレなアレンジで、天使のようなウィスパー・ヴォイスで歌われている。
↓ 本国以上に日本で大ヒットした「カーニヴァル」。
↓ ベースの印象的なリフとサビのメロディが耳にのこる「ファイン」。
(Goro)


