
Soul Asylum
Misery (1995)
米ミネソタ州出身のソウル・アサイラムは1984年にデビューしたものの、長い長い低迷期を経てジワジワと、10年ぐらいかけてやっと売れたご苦労様なバンドだ。
この「ミザリー」は1995年に発表され、全米Top20に入る大ヒットとなった。スティーヴン・キング原作の、小説家のファンの女性が暴走する、ものすごく怖い1990年の映画『ミザリー』とはなんの関係もない。あれは面白い映画だったけれども。
1995年のわたしは、安月給の生活から抜け出したくて、映画館の仕事を辞めて、配送の仕事をしていた。それはもうキツい仕事だった。いつも何かにせわしなく追い立てられているようだった。「速く速く!まだまだあるよ!」と荷台の荷物たちが大合唱していた。わたしは29歳で、わたしの青春時代はもう終わったのだと感じていた。
前年にカート・コバーンがなぜだか消えてしまって、オルタナティヴ・ロック・ブームも一気に冷めた感じになってからは、自分でももう何が聴きたいのかわからなくなってしまい、CDも以前みたいには買わなくなってしまった。
そんなとき、FMラジオの洋楽チャート番組からこの「ミザリー」の美しいイントロが流れてくると、わたしは路肩に配送の車を停めて聴き入ったものだった。
思い出深い曲だ。
思い出込みで、何度聴いても泣ける。
いつもこの曲をかけてくれたのは、当時毎週日曜日に名古屋のFM局で番組をやっていたDJ、小林克也だった。
FM局のDJって総じて、面白くもなんともない話を延々としたり、英語でわけのわからないことをカッコ良さげにベラベラと捲し立てたりするのでわたしは好きではないのだけれども、小林克也だけは好きだったな。
(Goro)