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Solomon Burke
“Rock’n Soul” (1964)
1940年に米ペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれたソロモン・バークは、7歳の頃から教会で説教を行い、10歳になる前にすでに自分のラジオ番組を持ってゴスペルを歌っていた。
1955年にレコードデビューしたが、1961年にアトランティックレコードに移籍してから彼の黄金時代が始まった。本作には収録されていないが、同時期にヒットした「エヴリバディ・ニーズ・サムバディ・トゥ・ラヴ」が最も有名な代表曲だ。
本作は1964年7月にアトランティックからリリースされたソロモン・バークの通算5枚目のアルバムで、「キング・オブ・ロックン・ソウル」の異名でも知られる彼の代表作だ。カッコ内は米R&Bシングルチャートの最高順位だ。
【オリジナルLP収録曲】
SIDE A
1 グッバイ・ベイビー(33位)
2 クライ・トゥ・ミー(5位)
3 ウォント・ユー・ギヴ・ヒム
4 イフ・ユー・ニード・ミー(2位)
5 ハード・エイント・イット・ハード
6 キャント・ノーバディ・ラヴ・ユー
SIDE B
1 ジャスト・アウト・オブ・リーチ(7位)
2 ユアー・グッド・フォー・ミー(8位)
3 ユー・キャント・ラヴ・ゼム・オール
4 サムワン・トゥ・ラヴ・ミー
5 ビューティフル・ブラウン・アイズ
6 ヒール・ハフ・トゥ・ゴー(51位)
ソロモン・バークのあの巨体をご存知なら、さぞやでっかい声の大味な歌を聴かせるのだろうと想像するかもしれない。
確かにゴスペルで鍛え上げた喉は強靭に違いないが、意外にも繊細にさまざまな表情をつけて歌い分ける、決して大味ではない、過剰なやかましさもない、心の通った耳に快い歌声である。
ローリング・ストーンズもカバーしたA2「クライ・トゥ・ミー」は彼の代表曲だ。
ウィルソン・ピケットのカバーA4「イフ・ユー・ニード・ミー」も力強い歌声で歌われたソウルバラードの名曲である。
一方で全米チャートの24位まで上がったブレイク作、B1「ジャスト・アウト・オブ・リーチ」はカントリー・ミュージックであり、別人かと思うような甘い声で歌われる。
また、どうやらアコギの名手が参加しているらしい、アコースティック・サウンドが印象的な楽曲が何曲かあるのも本作の特徴だ。
↓ 米R&Bチャート5位のヒットとなった代表曲「クライ・トゥ・ミー」。ストーンズもカバーしたが、正直、ソロモン王の圧倒的な歌唱には敵わない。
↓ 全米24位のヒットとなったカントリー調の「ジャスト・アウト・オブ・リーチ」。
(Goro)