少年ナイフ/スペース・クリスマス (1991)

Shonen Knife – Space Christmas | Releases | Discogs

【90年代ロックの快楽】
Shonen Knife
Space Christmas (1991)

少年ナイフは大阪出身の、タイガー魔法瓶株式会社で働いていたOL、なおこ、みちえ、あつこ(なおこの妹)の3人で結成され、1983年に国内のインディ・レーベルからデビューした。

しかし日本よりもなぜか英米でウケて、86年にはアメリカでアルバムをリリースし、活動の拠点をアメリカに移した。

わたしは91年の12月にリリースされたこのシングル「スペース・クリスマス」で初めて彼女たちを知った。

そのときの彼女たちはすでに「オルタナ系バンドの先駆者」のひとつとなっていて、ソニック・ユースやニルヴァーナなどが「姐さん」と慕うような存在であり、一緒にツアーを回ったりもしていたのだ。

古くはピンクレディーから、松田聖子や宇多田ヒカルなど、数々の日本人アーティストが海外進出しては玉砕するのを見て来たわれわれにとって、インディ系とは言え、アメリカの人気アーティストたちにリスペクトされるような日本人の、しかもガールズ・バンドが存在するということを知って驚いたものだった。しかもそのことを、ほとんどの日本人が知らない。

たぶん今でもその存在すら日本国民にはあまり知られていないけれども、一時は「世界一有名な日本人バンド」とさえ言われたものだった。

この「スペース・クリスマス」を初めて聴いて、ラモーンズ風のポップなメロディーとハードなサウンドを融合したシンプルなロックンロールが、わたしは気に入った。

全編英語のアルバムを出しているわりには、かなりたどたどしい日本人英語にもなんだか好感が持てた。

還暦をとっくに過ぎているはずだが、現在も現役で活動している。なおことあつこの姉妹以外は何度かメンバー・チェンジしているけれども。

公式ページのスケジュールを見ると、今年も北欧に始まり、EU、アメリカ、南米、そして日本と、世界を股にかけてツアーを行っている。

凄いことだ。

彼女たちにもそろそろ国民栄誉賞を。

(Goro)