Roy Orbison
“Only the Lonely” (1960)
米テキサス州出身のロイ・オービソンが1960年にリリースしたシングルで、全米2位、全英1位の大ヒットとなった。1956年にデビューした彼にとって10枚目のシングルで、初めてのヒット曲だった。
失恋の歌で、「孤独な人だけがこの気持ちをわかるはず」と歌う歌だ。
ブルース・スプリングスティーンの名曲「涙のサンダーロード」に「ラジオからロイ・オービソンが孤独な人たちのために歌う歌が流れてくる」という歌詞が出てくるが、この歌のことを言ってるのだろう。スプリングスティーンはロイ・オービソンの音楽を深く愛しており、「彼のように歌うことを目標にしていた」と語っている。
また、J.D.サウザーの1979年の大ヒット曲「ユア・オンリー・ロンリー」は、タイトルも曲もなんとなくこの曲を想起させるところがあるが、彼はロイ・オービソンと同郷のテキサス育ちで強い影響を受けており、この曲はいわばロイ・オービソンへのリスペクトとオマージュによって書かれたものらしい。
「J.D.サウザー/ユア・オンリー・ロンリー」の記事はこちら
そして、下の動画は1988年1月に、ロイ・オービソンのトリプル殿堂入り(ロックの殿堂、ナッシュヴィルソングライターの殿堂、ソングライターの殿堂)を記念して制作されたテレビSP『Roy Orbison and Friends:A Black and White Night』からの映像。この映像はすべてタイトル通りモノクロで撮影されている。
ロイ・オービソンをリスペクトするアーティスト代表としてスプリングスティーンやJ.D.サウザーはもちろん、エルヴィス・コステロやトム・ウェイツ、ジャクソン・ブラウン、ボニー・レイットなども参加している。
この年、ボブ・ディランやジョージ・ハリスンらと共にトラヴェリング・ウィルベリーズを結成して大成功を収めるが、その矢先の1989年12月6日、心筋梗塞で急逝した。52歳だった。
ザ・トラヴェリング・ウィルベリーズ/ハンドル・ウィズ・ケア (1988)の記事はこちら
(Goro)