Roy Orbison
Oh, Pretty Woman (1964)
ロイ・オービソンの歌声と音楽を称賛するアーティストは数知れない。
ボブ・ディラン、ニール・ヤング、ブルース・スプリングスティーン、J・D・サウザー、トム・ペティ、U2ボノ、エルヴィス・コステロなどなど。彼らは「ビッグ・O」をリスペクトしてやまない。
わたしもロイ・オービソンの声がとても好きだ。
彼のそのなめらかで艶のある声は「ヴェルヴェット・ボイス」と呼ばれた。
神様がたったひとりだけに与えた特別な声だ。
ロイ・オービソンの楽曲は、メロディアスで美しい曲、最高のポップセンスをもった曲、そして一筋縄ではいかないひねりのある曲など、個性的な名曲の宝庫だ。
この曲を主題歌にしたジュリア・ロバーツとリチャード・ギアによる映画も有名な、誰もがよく知るこの「おお、プリティ・ウーマン」も、よく聴いてみるとかなり変テコな展開の曲なのだ。
冒頭からキャッチーなつかみから始まるものの、その後どう進むのかと思わせておいて、いきなりのサビでマイナーに転調して驚かせ、さてここから今度はどう戻るのかと、ハラハラドキドキしていると、よくわからないうちにエンディングになっていて、いきなり終わる。
もうほとんど前衛といってもいいようなひねりにひねった非常に変わった曲なのに、全体としては最高のポップソングに仕上げてしまうあたりが凄い。パフォーマーとしても、ソングライターとしても、天才としか言いようがない。
ナッシュヴィルのミュージシャンたちによるバックの演奏がまた素晴らしい。
シングルは全米1位、全英1位、ビルボード年間チャートでも4位という、その年を代表する大ヒットとなった。
何度聴いても飽きない、最高のポップ・ソングだ。
↓ ヴァン・ヘイレンによるカバー。1982年にシングル・リリースされ、全米12位のヒットとなった。
(Goro)