【ディランのアルバム全部聴いてみた】『新しい夜明け』(1970)

【ディランのアルバム全部聴いてみた 12枚目】 Bob Dylan “New Morning” 前作の『セルフ・ポートレイト』が大不評だったというのもあってか(笑)、そのわずか4か月後に緊急リリースされた、ディラン29歳のアルバム。全米7位、全英1位。 そう思うとなんだかジャケの表情も、不祥事を...

【ディランのアルバム全部聴いてみた】『セルフ・ポートレイト』(1970)

【ディランのアルバム全部聴いてみた 11枚目】 "Self Portrait" LP2枚組24曲を収録しているが、自作曲は5曲、他はトラディショナルやカントリー、スタンダード・ポップスなどのカバー、そしてワイト島フェスでのライヴ音源が4曲という内容になっている。ディラン、29歳のアルバムだ。 自作...

【ディランのアルバム全部聴いてみた】『ナッシュヴィル・スカイライン』(1969)

【ディランのアルバム全部聴いてみた 10枚目】 "Nashville Skyline" 今回のジャケットは「やあ、こんにちは。僕、カントリー始めました。よろしくね」の顔だな。 前2作『ブロンド・オン・ブロンド』『ジョン・ウェズリー・ハーディング』でカントリー方面にじわりじわりとにじり寄って来てい...

【ディランのアルバム全部聴いてみた】『ジョン・ウェズリー・ハーディング』(1967)

【ディランのアルバム全部聴いてみた 9枚目】 "John Wesley Harding" これはいいな。すごくいい。 だいたいディランのアルバムは1曲目から力の入ったものが多いのだけれど、これは肩の力が抜けていていい。ああ、これを選んでよかったな、という気分になる。 これも若い頃にLPで買って持...

【ディランのアルバム全部聴いてみた】『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』(1964)

【ディランのアルバム全部聴いてみた 4枚目】 "Another Side of Bob Dylan" 初期のディランと言えば「反戦歌」や「プロテスト・ソング」のイメージが強かったけれども、実際にはそういう内容のアルバムは2nd『フリーホイーリン』と3rd『時代は変わる』だけで、この4枚目のアルバム...

【ディランのアルバム全部聴いてみた】『ボブ・ディラン』(1962)

【ディランのアルバム全部聴いてみた 1枚目】 "Bob Dylan" さてこれから、ボブ・ディランのアルバムを全部、リリース順に聴いていきます。 全部で何枚あるのか、怖いのであえて数えていないけれど、めちゃたくさんあることは間違いない。 まずはこの、1stアルバムだ。ディランが20歳のときにリリ...

【きょうの余談】ボブ・ディランのアルバムを全部聴いてみよう

このプログの新シリーズというか、ボブ・ディランのアルバムを全部聴いて、1枚ずつ感想を書いていくことにしようと思います。 わたしはディランは16歳の頃に初めて聴いて、それなりに好きになり、何枚かのレコードやCDを買って聴いてきたり、レンタルで聴いたりしてきた。たぶん20枚ぐらいは聴いたのではない...

【映画】『リスペクト』(2021 米)

⭐️⭐️⭐️ 『リスペクト』(2021 米) "Respect"  監督:リーズル・トミー 出演:ジェニファー・ハドソン、フォレスト・ウィテカー、他 1960年代にデビューし、「ソウルの女王」と...

もっと聴きたいパワー・ポップ【10組10曲】10 POWER POP Songs to Listen to Next

昨日公開した記事〈はじめてのパワー・ポップ【必聴10組10曲】〉の続編になります。 パワー・ポップに興味を持った方、もっと聴いてみたい方にお薦めする、さらに深い沼へとご招待する10組10曲です。 ほとんどがマイナーなバンドではあるけれども、なぜこれがもっと世間に知られていないのか...

はじめてのパワー・ポップ【必聴10組10曲】10 POWER POP Songs to Listen to First

〈パワー・ポップ〉という用語は、1970年代の後半に生まれた。 ロックであることは間違いないけれどもハード・ロックではないし、パンクほどトガってもいない。ニュー・ウェイヴと言うほど変わったものでもないし、ましてやブルースでもカントリーでもないという、ジャンル分けに困ったバンドを〈パワー...

はじめてのはっぴいえんど【必聴名曲5選】5 HAPPY END Songs to Listen to First

岡林信康の名曲ベストテンの記事でわたしは彼を「日本語ロックの開祖のひとり」と書いたが、それを支えたのがはっぴいえんどだった。 1970年に岡林の2ndアルバム『見る前に跳べ』に参加したはっぴいえんどは、岡林のツアーにも同行し、まるでボブ・ディランとザ・バンドのように、岡林がフォ...

アレサ・フランクリン/ロック・ステディ(1971)

【70年代ソウルの名曲】 Aretha Franklin Rock Steady (1971) 作詞・作曲もアレサ・フランクリン自身で、全米9位のヒットとなった。 ファンクの要素が濃く、力強いベースが印象的な、その後のディスコ・ミュージックの源流とも言えるような70年代R&a...

アレサ・フランクリン/シンク (1968)

【60年代ソウルの名曲】】 Aretha Franklin Think (1968) アレサ・フランクリンと当時の夫テッド・ホワイトの共作によって書かれた曲で、全米7位の大ヒットとなった。 「よく考えて。あなたはもっと自由になっていいの」と歌う歌詞が、フェミニズム賛歌とも解釈...

ビッグ・スター【名曲ベストテン】BIG STAR Best 10 Songs

米テネシー州メンフィス出身のビッグ・スターは、売れなかったバンドだ。 1972年に地元のレーベルからデビューし、2枚のアルバムをリリースし、74年に解散した。完全に名前負けしてしまったバンドだった。 3枚目のアルバムも録音され、プロモーション用の見本盤がプレスされたものの、ど...

岡林信康【名曲ベストテン】NOBUYASU OKABAYASHI Best 10 Songs

岡林信康と言えば、1960年代末から70年代初頭にかけての日本のフォーク・ブームの中心人物であり、象徴である。彼は「フォークの神様」と呼ばれた。 さらに、わたしは彼を日本語ロックの開祖のひとりだと思っている。 ボブ・ディランを手本にして、はっぴいえんどなどに手伝ってもらい...

アヴィーチー【名曲ベストテン】AVICII Best 10 Songs

ポップ・ミュージックから「メロディ」が重視されなくなって久しい、とわたしは思っている。 古い音楽にはだれもが口づさみたくなるようなわかりやすい歌メロがあった。 しかしヒップホップの隆盛や、ロックやポップスのすでに「やりつくした感」やスタイルの変化もあって、いつのまにか新たな「メロディ...

ハッピー・マンデーズ【名曲ベスト5】HAPPY MONDAYS Best 5 Songs

その昔、1980年代後半に、イギリスにレイヴ・カルチャーというムーヴメントがあった。 英北西部の工業都市マンチェスターなどを中心に勃発した、若者たちが人里離れた廃校や巨大な倉庫を借り切って(ときには無断で)、一晩中大音量でアシッド・ハウスなどのダンス・ミュージックを流し、大麻やエクスタ...

さようなら、チャーリー・ワッツ

ついに来るべき時が来たという感じだ。 21歳のときにオリジナル・メンバーとして参加し、以来59年間、ストーンズのドラマーであり続けたチャーリー・ワッツが、昨日、天国へと旅立ってしまった。 チャーリーのドラムはストーンズの音楽の核みたいなものだ。正直、これでストーンズは長い歴史を終えたのだなと...

スウェード【名曲ベストテン】Suede Best 10 Songs

1992年、米国勢によるグランジ・ブームが世界を席巻し、英国ロックが停滞し始めた頃に救世主のように登場したのがスウェードだった。 ブレット・アンダーソンの中性的で妖艶なヴォーカルと、バーナード・バトラーのパンチ力と切れ味を備えたギターを中心にしたサウンドは、英国の王道ギター・ロックの待...

【きょうの余談】続〈さらば、娘よ〉

およそ1年半前、このブログで〈【きょうの余談】さらば、娘よ〉という、わたしの娘が高校を卒業して愛知県の実家を離れ、東京で専門学校に通うことになった経緯を書いた記事を投稿しました。今回はその続編です。ロックとはなんの関係もない、ただの余談ですので、興味のない方はごめんなさい、スルーして...

マーサ&ザ・ヴァンデラス【名曲ベスト5】MARTHA AND THE VANDELLAS Best 5 Songs

歌手になりたかった19歳のマーサ・リーヴスは、日中は他の仕事をしながら、夜はデトロイトのクラブで歌っていた。あるとき、彼女の歌がモータウンのスタッフの目に留まり、彼女に名刺を渡した。 彼女は早速その名刺を持ってオーディションを受けるためにモータウンを訪れたが、曜日を間違えていたためにオ...

ザ・フー/ヒート・ウェイヴ(1966)

【カバーの快楽】 The Who Heat Wave (1966) いやー、クソ暑いな。 わたしの子供時代は30度と聞いたら大変な暑さだと思ってたけれども、今は40度までいってももうあんまり驚かなくなってきてる。えらい時代になったものだ。 こんなときは、この滅多にない暑さがなん...

キャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作品【必聴名曲10組10曲】The 10 Best Songs King & Goffin Wrote

早熟の天才少女キャロル・キングは1958年、16歳のときに自作の曲でレコード・デビューした。 残念ながらヒットはしなかったが、翌年にクイーンズ・カレッジでジェリー・ゴフィンと出会い、17歳で早熟の出来ちゃった結婚をすると、昼間は秘書の仕事をしながら子育てもしつつ、空いた時間にジ...

ブラー【名曲ベストテン】blur Best 10 Songs

1991年にデビューしたブラーの最初の印象は、デーモン・アルバーンのあの顔であり、「やけにハンサムなヴォーカルがいるバンド」というものだった。そしてそのせいでイギリスの新しい時代の顔になることを過度に期待され、背負わされてるような印象もあった。 最初こそ方向性が定まらずに迷走したものの、2...