ネッズ・アトミック・ダストビン/ハッピー (1991)

【90年代ロックの快楽】
Ned’s Atomic Dustbin
Happy (1991)

ネッズ・アトミック・ダストビンは1991年にデビューした、イギリスのバンドだ。

5人組だが、ギターは1人で、ベースが2人いる、めずらしい編成なのが特徴のバンドである。

バンドを組もうとすると、ギターを弾くやつはは2人も3人もいるのにベースがいなかったりして、たいてい人の好いやつがベースをやらされがちなものだけれども、ベースがダブるというのはめずらしいと思う。

彼らはデビュー当時からよく音楽誌に取り上げられていたものだ。まず、バンドのロゴが入ったTシャツが人気になって火が点き、先にTシャツが売れてから、そのあとをCDが追っかけていったような印象がある。

当時のわたしは二十代前半と若かったが、彼らはもっと若く、少年のようだった。

正直、彼らの音楽には特別な才能の輝きは感じられなかったし、完成度は高くなかったし、どれを聴いても同じように思えた。

でも若さゆえの勢いは微笑ましかったし、なにかスパークして弾け飛ぶようなエネルギーが漲っているのが羨ましかった。

この曲は彼らの4枚目のシングルで、全英チャート16位と、彼らにとって最高位を記録した曲だ。

いまあらためて聴いてみても、やっぱりたいした出来ではないのだけど、青臭い強行突破の瞬発力の記憶は、あの当時、1991年を思い出す。

今思えば、金はないし、欲しいものは手に入らないし、ただ時間だけがムダに過ぎて年を取っていくようで、将来もよく見えず、うっすらとした不安を抱えたまま安月給で働くだけの、冴えない毎日だった。

でも、こんな音楽を聴いているときだけは、たしかに”Happy”だったのだろう、この曲を聴くとあの当時がずっとHappyだったような錯覚に陥る。

もしかすると、錯覚じゃないのかな?

(Goro)

コメント

  1. アイアイ♪ より:

    Goroさん、スゴいトコ突いてきますねぇ(^^)
    僕、ハッピー大好きですよ。あとはアルバムからはグレイ・セルズ・グリーン。
    1993年3月の来日公演をオンエア渋谷で観ました。ハッピーが始まった瞬間に激しいモッシュが起こり、自分も参加しながら勢いでステージに上がって跳んでいたら、係員に捕まって外に追い出されて説教(^^;;…。すごく寒い日で、大汗かいて冷える身体で震えながら終演と仲間をまった苦い思い出があります。
    ちなみに翌日が社会人初日の入社式(新入社員代表挨拶もしました♪)〜宿泊研修でしたが、案の定風邪をひいて高熱をだしながらの参加になって、アレは大変だったなぁ。