マドンナ/ラ・イスラ・ボニータ~美しき島 (1986)

La Isla Bonita - Wikipedia

【80年代ポップスの名曲】
Madonna
La Isla Bonita (1986)

ちょっとしたきっかけで、マドンナの曲の中でも最も好きな曲のひとつになった、思い出深い曲だ。

その昔、わたしが二十歳になったばかりの頃、初めてダンスショーを観に行った。記憶が定かではないが、名古屋の場末にあった、たしか中村大劇とかいうダンスシアターだったと思う。

20代から60代ぐらいまで、幅広い年齢層の女性ダンサーがひとりずつ登場して、舞台照明が暑いのか、衣装を脱ぎ捨てながら華麗なダンスショーを楽しませてくれた。

ベテランダンサーたちの後でトリを務めたのが、健康的な小麦色の肌をした、その日最も美しかった若い女性ダンサーだった。マドンナのこの曲を使って、実に魅力的なショーを繰り広げてくれたのが印象的だった。それ以来、わたしはこの曲のファンである。

この曲はマドンナの3枚目のアルバム『トゥルー・ブルー』からシングル・カットされ、全米4位、全英1位の大ヒットとなった。

ラテン系のノスタルジックな印象の曲で、いやがうえにもわたしの青春の熱い1ページが脳裏に甦る。マドンナのハスキー・ヴォイスも実にセクシーだ。

それにしても、『ライク・ア・ヴァージン』の次のアルバムなのに、いきなり声の印象が全然違うことに当時は驚いたものだった。

マドンナが一発屋で終わらず、その後も快進撃を続けたのは、このときの声の変化が大きかったのではないかと、わたしはひそかに思っている。それによって瞬発的なアイドルから、確固たる個性を持つアーティストへと印象を変えたような気がするのだ。

(Goro)