ラヴ『フォーエヴァー・チェンジズ』(1967)【わたしが選ぶ!最強ロック名盤500】#117

Forever Changes -Hq- [Analog]

【わたしが選ぶ!最強ロック名盤500】#117
Love
“Forever Changes” (1967)

米カリフォルニア州ロサンゼルスのバンド、ラヴの3rdアルバムだ。バンド名が小っ恥ずかしくっていけないが、当時は「LOVE」という言葉の一大ブームだったのだろう。あと「PEACE」も。

当時は全米アルバムチャート154位という成績で、商業的には失敗に終わったが、後に高く評価されるようになったアルバムだ。

なんといってもこの独創的なサウンドである。

アコースティックギターを中心にしたアンプラグドみたいなバンドに、ストリングスとブラスを加えて、スケールの大きな音空間を創り出している。今聴いても新鮮なほど、爽快でスリリングで滅法美しい、まるでフォーク・ロックの究極の完成形といった感じだ。

【オリジナルLP収録曲】

SIDE A

1 アローン・アゲイン・オア
2 ア・ハウス・イズ・ノット・ア・モーテル
3 アンドモアアゲイン
4 ザ・デイリー・プラネット
5 オールド・マン
6 ザ・レッド・テレフォン

SIDE B

1 クラーク・アンド・ヒルデイル
2 リヴ・アンド・レット・リヴ
3 ザ・グッド・ヒューモア・マン
4 バマー・イン・ザ・サマー
5 ユー・セット・ザ・シーン

フォークにポップスにロックにジャズ、クラシックやマリアッチの要素まで含んだ、幅広い音楽性は今聴いてもモダンである。80年代英国のネオアコや日本の渋谷系などは、このアルバムの音世界を手本にしたものも多かったのではないかとも思わせる。

しかし本作のリリースを最後に、フロントマンのアーサー・リー以外のメンバーが続々とヘロイン中毒で使い物にならなくなり相次いで脱退、ラヴはアーサー・リーのソロ・プロジェクトと化していったが、その勢いや独創性は失われていった。

↓ オープニングを飾る「アローン・アゲイン・オア」。シングル・カットもされたが、全米99位と不発に終わった。しかし素晴らしい曲だ。

Alone Again Or (2015 Remaster)

↓ アルバムのラストを締めくくるドラマチックな大作「ユー・セット・ザ・シーン」。

You Set the Scene (2015 Remaster)

(Goro)